中国 ホンハイ精密工業に税務調査 台湾総統選へ政治的背景か

中国当局は台湾のホンハイ精密工業の中国にある拠点に対して税務などの調査を行ったことを認め、2024年1月の台湾の総統選挙を巡って政治的な背景がある可能性を示唆しました。

中国メディアの「環球時報」によりますと、台湾のホンハイ精密工業の子会社の中国各地にある複数の拠点が最近、中国当局によって、税務や土地の使用状況に関する調査を受けたということです。

これについて、中国政府で台湾政策を担当する国務院台湾事務弁公室の朱鳳蓮 報道官は25日の記者会見で「大陸の関係部門が法律や規則に基づいて調査を行うことは正常な法執行だ」と述べ、中国当局による調査を認めました。

そのうえで「台湾企業が大陸で相応の社会的責任を引き受け、台湾海峡両岸の平和的発展のために前向きな役割を果たすべきだ」と強調しました。

また、朱報道官は2024年1月の台湾の総統選挙に与党・民進党から立候補する予定の頼清徳 副総統について、「平和の旗印のもと『台湾独立』という悪事を行っている。『台湾独立』は戦争を意味し、平和はありえない」と強く非難しました。

総統選挙にはホンハイの創業者の郭台銘氏も無所属で立候補する意向を示し、そのために必要な有権者の署名集めを続けています。

郭氏が立候補すれば、民進党に対する批判票が分散し、頼氏に有利になるという指摘が出ていて、朱報道官の発言は、中国当局による調査に政治的な背景がある可能性を示唆した形です。