攻撃応酬続くガザ 25日夜にも支援活動に必要な燃料尽きるか

イスラエル軍は、イスラム組織ハマスが実効支配するガザ地区への激しい空爆を続け、これに対しハマスはロケット弾や海岸からの攻撃をしかけるなど25日にかけても攻撃の応酬が続いています。ガザ地区では現地の国連機関が25日夜にも支援活動に必要な燃料が尽きると訴えていて、人道危機が深刻さを増しています。

イスラエル軍は、パレスチナのガザ地区に25日にかけても激しい空爆を続けていて、ハマスのトンネルや武器庫などを破壊したほか幹部1人を殺害したと発表しました。

パレスチナの地元メディアは25日、過去24時間でイスラエル軍の空爆などでおよそ850人が死亡したと伝えていて、連日、多くの住民も犠牲になっています。

ガザ地区の保健当局は、今月7日に衝突が始まってからのガザ地区の死者は6546人に上り、このうち子どもが2704人を占めているとしています。

一方、イスラエル側では少なくとも1400人が死亡し、今も外国人を含む200人以上が人質となっているほか、24日夜もガザ地区からのロケット弾による攻撃やハマスの戦闘員が海岸からの侵入を試みるなど攻撃の応酬が続いています。

こうした中、イスラエルによる完全な封鎖でガザ地区の人道危機が深刻さを増していて、UNRWA=国連パレスチナ難民救済事業機関は24日、「燃料が直ちに入手できなければ、あすの夜にはガザ地区での活動を停止せざるをえなくなる」として、25日夜には支援活動に必要な燃料が尽きてしまうと強い危機感を示しました。

一方、イスラエル側はハマス側に燃料が渡り軍事目的で利用されることを警戒し、燃料の搬入は認めない姿勢を崩していません。

これについてホワイトハウスのカービー戦略広報調整官は24日の記者会見で、イスラエル側の懸念に理解を示したうえで「燃料は病院の発電機のために必要なものだ。ガザ地区の人たちに燃料を供給する必要があると考えている」と述べてガザ地区に燃料を搬入すべきだという考えを示しました。

国際社会からはガザ地区の人道支援に向けた事態の打開を求める声が高まっていて、妥協点を見いだすことができるかが焦点となっています。