北朝鮮 異例の「沈黙」 軍事偵察衛星の打ち上げ準備に集中か

アメリカが10月に入って韓国に原子力空母を寄港させるとともに、戦略爆撃機を着陸させたのに対し、北朝鮮は、これまで対抗措置として繰り返してきた弾道ミサイルの発射を行わず、異例の「沈黙」を続けています。10月中に行うと予告している軍事偵察衛星の3回目の打ち上げに向けて準備に集中しているのではないかという見方も出ています。

アメリカは10月に入って、原子力空母「ロナルド・レーガン」を韓国南部に寄港させるとともに、核兵器の搭載が可能なB52戦略爆撃機を韓国中部に着陸させ、日韓両国との共同訓練も実施しました。

これに対して、北朝鮮は国営通信を通じて「アメリカの戦略兵器は最初に滅ぼす対象だ」などと反発しましたが、この間、弾道ミサイルの発射は行っていません。

北朝鮮は、2022年9月から10月にかけて「ロナルド・レーガン」が朝鮮半島周辺に展開した際、警告のためだとして戦術核運用部隊の訓練を行い7回にわたって弾道ミサイルを発射したほか、原子力空母「ニミッツ」が展開したことし3月にも、短距離弾道ミサイルを発射しました。

また、去年12月にB52戦略爆撃機が、ことし2月と8月にB1爆撃機が、それぞれ飛来したときも、短距離弾道ミサイルを発射していて、今回、対抗措置をとらずに「沈黙」を続けているのは異例です。

北朝鮮は、ことし5月、8月と2回連続で打ち上げに失敗した軍事偵察衛星について、10月中に3回目の打ち上げを行うと予告していて、一部の韓国メディアなどでは、国の威信をかけて打ち上げの準備に集中しているのではないかという見方も出ています。