参院本会議 代表質問 経済対策や閣僚資質などめぐり論戦

国会は25日から参議院本会議でも、岸田総理大臣の所信表明演説に対する各党の代表質問が始まり、物価高を受けた新たな経済対策や、閣僚の資質などをめぐって論戦が交わされました。

立民 田名部参院幹事長「インボイス制度」について

▽立憲民主党の田名部参議院幹事長は消費税の納税額を正確に把握するための「インボイス制度」について、「私たちは導入に反対し、複数税率を改め、給付付き税額控除を導入する法案を提出している。インボイスを廃止し、負担や再分配のあり方を根本的に議論するつもりはないか」とただしました。

これに対し、岸田総理大臣は「給付付き税額控除は消費税そのものの負担が直接、軽減されるものではなく、消費者にとって痛税感の緩和の実感にはつながらない。インボイス制度は複数税率のもとで課税の適正性を確保するため必要な制度で、廃止することは考えていない」と述べました。

立民 田名部参院幹事長 防衛相の“自衛隊に報いる”発言について

また、田名部氏は木原防衛大臣が選挙の応援演説で、自民党候補への支持が自衛隊に報いることになるという趣旨の発言をしたことについて、「自衛隊の政治利用と受け止められる発言をしただけでなく、『一議員としての党活動』と開き直り、反省もなく、大臣としての自覚が足りない。大臣としての資質が問われるのではないか」と追及しました。

これに対し、岸田総理大臣は「発言については木原大臣本人が自衛官とその家族への敬意と感謝を述べたもので、自衛隊を政治的に利用するような意図はないと説明し撤回した。自衛隊が政治的に中立の組織だと本人も十分に認識しており、引き続き職務に当たってもらいたい」と述べました。

自民 世耕参議院幹事長 岸田首相の政権運営について

▽自民党の世耕参議院幹事長は岸田総理大臣の政権運営をめぐって、「支持率が向上しない最大の原因は、国民が期待するリーダーとしての姿が示せていないということに尽きるのではないか。物価高に対応して総理が何をやろうとしているのか全く伝わらなかった」とただしました。

これに対し、岸田総理大臣は「変化の流れをくみ取り『あすはきょうより良くなる』と信じられる時代を実現することを明確に誓い、有言実行を貫いていく。デフレ脱却を確実なものにする一時的な措置として、国民の可処分所得を直接的に下支えし、物価高による国民の負担を緩和するという私の考え方をしっかり伝えていく」と強調しました。

自民 世耕参議院幹事長 物価高受けた新たな経済対策について

また、世耕氏は物価高を受けた新たな経済対策について、「裏付けとなる補正予算の規模は日本経済を下支えする観点からも極めて重要だ。日本の真の経済力をつけるための設備投資促進などに必要な対策の規模を吟味し、十二分な規模の対策とすることが不可欠だ」と求めました。

これに対し、岸田総理大臣は「デフレ脱却のための供給力強化と、デフレに後戻りしないための一時的な措置としての国民への還元を車の両輪として取りまとめていく。規模はこうした政策の積み上げの結果であり、わが国の経済がデフレから脱却し、新しい経済ステージに確実に移行するため、効果的な政策をしっかり積み上げ、規模を決定していく」と述べました。

このほか、岸田総理大臣は、一般のドライバーが自家用車を使って有料で人を運ぶ「ライドシェア」の導入をめぐり、「わが国で生じている地域交通の担い手不足や移動の足の不足といった深刻な社会問題に対応しつつ、『ライドシェア』の課題について取り組み、方向性を出していく」と述べました。