ガザ地区で一日に400か所以上空爆 米“一時的な戦闘停止必要”

イスラエル軍はパレスチナのガザ地区で一日に400か所以上を空爆するなど攻撃を強めていて、今月7日からの一連の衝突では子どもの死者が2300人を超えて、住民の犠牲が増え続けています。こうした中、国連の安全保障理事会の閣僚級会合で、アメリカのブリンケン国務長官はイスラエルを支持する立場を示しつつも、ガザ地区への人道支援を行うため、一時的な戦闘の停止が必要だと呼びかけました。

パレスチナのガザ地区ではイスラエルによる空爆がこれまでにないほどの規模で続いていて、イスラエル軍は24日、この24時間で400か所以上の標的を空爆したと発表しました。

これは激しい空爆が行われた前日からさらに増えていて、ガザ地区の保健当局は24日、数時間で子ども305人を含む704人が死亡したと発表しました。

今月7日に衝突が始まってからのガザ地区の死者は5791人に上り、このうち、子どもが半数近くの2360人を占めています。

一方、イスラエル側では少なくとも1400人が死亡し、今もおよそ220人が人質となっているほか、ガザ地区からのロケット弾攻撃も続いています。

こうした中、24日開かれた国連の安全保障理事会の閣僚級会合で、アメリカのブリンケン国務長官はイスラエルを支持する姿勢を示しつつも、「すべての一般市民は保護されなければならず、人道目的の一時的な戦闘停止を検討しなければならない」と訴えました。

ただ、この発言についてアメリカ・ホワイトハウスのカービー戦略広報調整官は記者会見で、「民間人を保護するための措置が必要だと考えており、作戦の一時的な停止はそれを行うための手段だ。停戦とは違う。停戦はハマスに利益をもたらす」と述べ、あくまで人道支援をするための一時的な戦闘停止の呼びかけで、停戦自体には否定的な考えを示しました。

アメリカのバイデン大統領をはじめ、ヨーロッパの首脳らが相次いでイスラエルを訪れ、民間人の犠牲を最小限にするよう呼びかける中で、被害拡大の歯止めにつなげられるかが焦点です。