東京・豊島区のクリニックでも先週から、急な気温の変化でせきや鼻水などの症状が出て受診する人が増え始めているということです。
きょうも都内に住む50代の女性が鼻づまりなどの症状を訴え診察に訪れていました。
寒暖差の体調不良 ぜんそくや鼻水 鼻づまりが悪化?
今月に入り、SNSではこんな投稿が相次いでいます。
「寒暖差で体調不良~」
「寒暖差でなんか体がしんどい。鼻水じゅるじゅる」
こうした寒暖差による体調不良、気温差の大きさによって、悪化する症状があるということで専門家が注意を呼びかけています。
増加する寒暖差での体調不良
女性
「乾燥もしてきているので呼吸するときにすっきりしない違和感があり、鼻の奥に粘着質なものが詰まっているのも気持ちが悪いです。季節の変わり目にはこうした不調が出やすいですが、ことしは特に暑さや寒さへの調節をどうしていいか分からず、体もついていけていない感じがします」
気温差で悪化する症状が
呼吸器内科を専門とする大谷義夫院長によりますと、3度、7度、10度と、気温差の大きさによって、悪化する症状があるといいます。
その1つがせきで、この診療所では問診に「冷気によるせき」といった項目も入れています。
池袋大谷クリニック 大谷義夫院長
「3度以上の気温差がある場合にはぜんそくがでやすくなり、せきが悪化するという報告もあります。気管支が冷たい空気の刺激によってむくみ、内くう(気管の内側の空洞部分)が狭くなることで呼吸が苦しくなるので、気管支が敏感な人やぜんそくの人にはとてもつらいです」
「7度以上の温度差で鼻炎が生じやすくなるという実験データもあります。冷たい空気を吸うことによって自律神経である交感神経と副交感神経のバランスが崩れ、血管が拡張したり収縮したりするからです。また、10度以上になると寒さで血管が収縮し、それによって血圧が急上昇してしまうということもあります」
どう対処したらいいの?
大谷院長によりますと、▽毎日天気予報をチェックして、はおるものを持ち歩くなど服装で調節すること、そして▽入浴でストレスを解消することや、▽自律神経を整えるためにウォーキングなどの軽い運動を習慣づけるといいということです。
また、マスクを着用することも有効だと指摘します。
「マスクを再度装着することで、マスクごしに冷たい空気を和らげることができます。寒暖差による自律神経の乱れで体調が悪化するので、インフルエンザやコロナなどの感染症にも注意が必要です」