IAEA 福島第一原発の処理水 放出開始後 初めての調査始まる

東京電力福島第一原子力発電所でたまる処理水の海洋放出をめぐって、計画の安全性を検証しているIAEA=国際原子力機関は、放出の開始後初めてとなる調査を24日から始めました。

福島第一原発にたまる処理水を基準を下回る濃度に薄めて海に放出する計画をめぐって、IAEAは去年から各国の専門家でつくる調査団を派遣し、安全性の検証を続けています。

24日は、ことし8月に放出が始まって以降初めてとなる調査のため来日したイギリスや韓国、それに放出に反発する中国など11か国の専門家でつくる調査団が外務省を訪れ、経済産業省や東京電力などの担当者と意見を交わしました。

この中で、リディ・エブラール次長は「IAEAのミッションは、海洋放出が終わるまで続く。科学的根拠に基づいた客観性、独立性のあるレビューを行い、広く国際社会に公表することで国際的な信頼醸成に結び付けばいいと思っている」と述べました。

調査団は、今月27日までの滞在期間中、福島第一原発を視察するほか、これまでの2回の放出がどのように行われたかや、周辺海域でのモニタリングの結果などを確認し、2か月後をめどに報告書を公表するということです。

松野官房長官「しっかりレビューしてもらうこと 極めて重要」

松野官房長官は、閣議のあとの記者会見で「今回のミッションでは放出開始後のモニタリングや放出設備などの状況の確認を行うことになるが、放出中から放出後にわたってIAEAにしっかりレビューしてもらうことは極めて重要だ。これらの内容も含め、引き続き国内外に透明性高く情報発信していく」と述べました。