【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(24日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる24日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ロシア “クリミア沖合で無人艇3隻発見し破壊”

ウクライナ東部ドネツク州では、ロシア軍がウクライナ側の拠点アウディーイウカの掌握を目指して、追加の兵力を投入しながら攻撃を強めているとみられます。

ウクライナのゼレンスキー大統領は23日に公開した動画で、「アウディーイウカで戦う兵士たちに特に感謝したい。そこで立ち向かう力はウクライナ全体の力となっている」と述べ、守り抜く決意を示しました。

一方、ロシア国防省は24日、ロシアが一方的に併合したウクライナ南部クリミアの沖合で無人艇3隻を発見し破壊したと発表するとともに、ロシア海軍の黒海艦隊が駐留する軍港セバストポリの沖合で機雷や敵の破壊工作に対する作戦を実施していると主張しました。

クリミアではこのところウクライナ軍が、黒海艦隊などへの攻撃を強めていて、ウクライナ国防省情報総局の報道官は21日、地元メディアに対して「ロシアは脅威を感じている」と述べ、一定の成果をあげていると強調しました。

そのうえで、「われわれの任務はクリミアを解放することで、そのためには占領軍を破壊する必要がある」と述べ、巡航ミサイルを搭載した艦船などを標的にさらに攻撃を続けていく構えを示しました。

ウクライナ 墓地埋葬の兵士 大幅に増加

23日、西部の都市リビウの教会では地元にゆかりのある3人の兵士の葬儀が合同で行われていました。

遺影や国旗などを持った兵士などが先導してひつぎが教会に到着すると参列者らはひざをついて敬意を示し、このあと参列者一人一人がひつぎに手を添え、その死を悼みました。

ひつぎはこのあと市内の墓地に運ばれて埋葬され、参列者たちが数え切れないほどの花束を手向けていました。

この墓地には軍事侵攻以降、戦死した兵士を埋葬するための新たな区画が整備されましたが、ことし3月には300ほどだった墓が23日には536に増え、それぞれの墓には、花やろうそくなどのほか、ウクライナの国旗も添えられていました。

ウクライナ軍は戦死者の数を公表していませんが、アメリカの有力紙、ニューヨーク・タイムズはことし8月、複数のアメリカ当局者の話として、軍事侵攻が始まって以降、ロシア側の死者はおよそ12万人、ウクライナ側の死者はおよそ7万人にのぼったという見方を伝えています。

亡くなった兵士の1人が弟の戦友だったという33歳の女性は「私たちは自由と民主主義、そしてウクライナの独立のために戦っています。高すぎる代償を払っていることも事実で、最終的には犠牲の大きさに耐えられなくなるかも知れません。それだけにさらなる武器の供与や支援が必要なのです」と訴えていました。

また30歳の男性は「1年前にこの墓地に来たときは墓の数はもっと少なかったです。それでも、私たちは立ち上がって戦わなければなりません。ウクライナの未来は、この戦いにかかっているのです」と話していました。

ロシア軍も犠牲者増える

ロシア軍は東部ドネツク州のウクライナ側の拠点アウディーイウカの周辺で、追加の兵力を投入しながら攻撃を強め、掌握を狙っているとみられます。

イギリス国防省は、ロシアが去年2月24日にウクライナへの軍事侵攻を開始して以降、ロシア軍の死者と戦闘に復帰できない負傷者をあわせた人数は15万人から19万人に上るという見方を示しました。

また、ロシアの政府高官は今月、戦闘で重傷を負った兵士の過半数が手足の切断を余儀なくされたと明らかにしました。

これについてイギリス国防省は23日「ロシア政府は増え続ける負傷兵の医療費や戦死者の遺族補償として、多くの支出を割り当てる必要が出てくる」と指摘し、ロシア政府がいずれ戦費の調達で難しい決断を迫られることになるという見方を示しました。