沢井製薬 品質確認試験を不正な方法で実施 自主回収へ

大阪に本社のあるジェネリック医薬品大手の「沢井製薬」は、九州の工場で製造した胃薬について、販売後に品質を確認する試験を国の承認を得ていない不正な方法で実施していたと発表しました。これまでに健康被害などは確認されていないということで、会社ではこの工場で製造した薬の自主回収を進めています。

沢井製薬の発表によりますと、福岡県飯塚市にある九州工場で製造した胃薬『テプレノンカプセル50mg「サワイ」』について、販売後に効果や安全性が保たれているか確認するための試験でカプセルから薬の成分が溶け出す割合を調べる際、国の承認を得ていない不正な方法で実施していたということです。

具体的には、試験の前にカプセルから中身を取り出し劣化していない新しいものに詰め替えていて、ことし4月にこの工場の品質管理部門の担当者が代わったことをきっかけに発覚したということです。

会社が調査委員会を立ち上げて調べた結果、不正な試験が行われた期間は2015年からおよそ8年間にわたっていて、会社では調査結果を国に報告したうえで九州工場で製造した薬の自主回収を進めています。

これまでに健康被害などは確認されておらず、沢井製薬のほかの工場や九州工場で製造したほかの製品では同様の不正はなかったということです。

木村元彦 社長は「患者や医療関係者に大変な心配や迷惑をおかけしたことを心よりおわび申し上げます。今後、役員と従業員が一丸となって再発防止に取り組みます」と話していました。