避難所の情報 デジタル技術で把握の実証実験 デジタル庁など

大規模な地震などが起きた際に、広域にわたって開設された避難所の情報を、デジタル技術を使って迅速に把握できないか検証するため、神奈川県小田原市でデジタル庁と自治体が参加する実証実験が行われました。

実証実験は、大規模な地震が発生して県内の広い範囲に避難所が開設されたという想定で行われ、国や県、市の職員など、およそ80人が参加しました。

午前中は、デジタル技術を活用せずに避難した住民の情報を紙の名簿にまとめ、これをもとに薬や支援物資の配布を行う手順を確認しました。

一方、午後には、マイナンバーカードで医療機関への受診履歴を確認するなど、デジタル技術を活用して避難者の情報を把握しました。

今回の実験では、紙の名簿で情報をまとめるより、デジタル技術を活用したほうが、避難者の把握にかかる時間がおよそ10分の1に短縮できたということです。

デジタル庁は、大規模な災害が発生し、避難所の運営が広域にまたがった場合に、デジタル技術を活用することで自治体の負担軽減につなげたいとして、近く策定される政府の新しい経済対策にこうした内容を盛り込みたいとしています。

デジタル庁の根本深企画官は「避難所の運営は非常に業務負担が大きく、うまくいかなければ被災者の負担にもなるので、デジタル化することで、本来自治体の職員が集中してやるべき業務に力を入れられるようになる」と話していました。