中国がオーストラリア産ワイン関税見直しへ 両国関係 改善進む

オーストラリアのアルバニージー首相は、中国がオーストラリア産のワインに課している高い関税を見直すことで両国が合意したと発表しました。アルバニージー首相は来月、中国を訪問する予定で、冷え込んでいた両国関係の改善が進んでいます。

オーストラリアのアルバニージー首相は、22日、記者会見し、中国がオーストラリア産のワインに課している最大で218%の関税を見直すことで両国が合意したと発表しました。中国側が今後、数か月かけて見直しに向けた作業を進めるとしています。

オーストラリアは、中国が、3年前からオーストラリア産の大麦やワインなどに高い関税をかけた措置を不当だとして、WTO=世界貿易機関に相次いで紛争解決の申し立てを行い、両国関係が冷え込んでいました。

アルバニージー首相は会見で、WTOへの申し立てはいったん停止するとした上で「オーストラリアの輸出で10億オーストラリアドル以上の価値をもたらす非常に重要な決定だ」と述べ、中国の対応を評価しました。

一方、中国商務省の報道官は談話を発表し「中国とオーストラリアは友好的に協議を行い、合意に達した。両国は重要な貿易パートナーであり、対話と協議を通じて2国間の経済・貿易関係の安定的かつ健全な発展を共同で推進することを望む」としています。

アルバニージー首相は、来月4日から中国を訪問して、習近平国家主席と会談する予定で冷え込んでいた両国関係の改善が進んでいます。