イスラエル軍は装甲車や誘導兵器、サイバーセキュリティーなどが特にすぐれているとされ、中東地域で際立った軍事力を誇っています。
イギリスのシンクタンク、国際戦略研究所が発行する「ミリタリー・バランス」によりますと、現役の兵士は16万9500人で、陸軍が12万6000人、空軍が3万4000人、海軍が9500人となっています。
また、予備役は46万5000人いて、このうち40万人が陸軍の予備役となっています。
現役と予備役の兵員を合わせると全人口の6%に上りますが、今回の報復作戦では大規模な動員が行われていて、36万人の予備役が招集されています。
「ミリタリー・バランス」などによりますと、イスラエル軍は2200台の戦車のほか、戦闘機についてもアメリカのF16戦闘機やステルス戦闘機F35など300機以上を保有しています。
核兵器についてもイスラエルは保有を公式に認めていませんが、スウェーデンのストックホルム国際平和研究所は、80発の核弾頭を保有していると推計しています。
また、周辺国などからの攻撃に対処するため、ミサイル防衛システムを構築していて、短距離ミサイルなどを迎撃するミサイルシステム「アイアンドーム」を各地に10基配備しているほか、最大の脅威と位置づけるイランによる弾道ミサイル攻撃を想定し、「アロー2」や「アロー3」といった弾道ミサイルの迎撃システムも配備しています。
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イスラエルとハマス それぞれの軍事力は?
イスラエルとイスラム組織ハマスの衝突が続く中、それぞれの軍事力を詳しく解説します。
中東で際立った軍事力誇るイスラエル軍
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軽火器とロケット弾で武装するハマス
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イスラム組織、ハマスは1987年に発足して以降、イスラエルとの軍事衝突を繰り返してきました。
イギリスのシンクタンク、国際戦略研究所が発行する「ミリタリー・バランス」によりますと、ハマスの軍事部門のカッサム旅団には1万5000人から2万人の戦闘員がいるということです。
アメリカのCIA=中央情報局は、ハマスは即席のロケット弾や対戦車ミサイル、それに迫撃砲といった軽火器で武装していると指摘しています。
また、イスラエル軍は2014年、射程が20キロ未満の短距離ロケット弾をおよそ3900発、射程が最大45キロの中距離ロケット弾をおよそ1600発、射程が100キロから200キロの長距離ロケット弾を数十発、ハマスが保有しているとする諜報機関の分析を公表しています。
従来、こうしたロケット弾の性能は低いとされていましたが、最近になって射程や精度が向上しているとする見方も出ています。
10月7日の越境攻撃の際には、すぐれた迎撃ミサイルシステムを配備するイスラエルに対し、数千発という大量のロケット弾を発射する「飽和攻撃」を行いました。
ハマスは自前での武器生産に加えて、イランなどから資金や兵器の支援を受けているとされているほか、アメリカのAP通信は10月7日の越境攻撃で、北朝鮮製の携行型ロケット弾を使用したと伝えています。
また、ハマスはガザ地区の地下にあるトンネルを利用し、兵器を密輸していると指摘されています。
地下トンネルは兵器の貯蔵場所としても使われるほか、指揮所なども設置しているとされ、イスラエルの攻撃や監視の目を逃れるのに利用しています。