静岡 県立病院で患者取り違え 前立腺摘出する医療ミス

静岡市の静岡県立総合病院で、ことし7月、患者を取り違えて、がんではない60代の男性患者の前立腺を誤って摘出する医療ミスがあり、病院は患者側に謝罪しました。

静岡市葵区にある静岡県立総合病院によりますと、60代の男性患者は、ことし7月に前立腺をすべて摘出する手術を受けましたが、手術後の検査で、摘出した前立腺はがんではなかったということです。

男性患者は手術の3か月前の4月に、組織の一部を採取する検査を受けていましたが、この検査の際に、別の80代の男性患者と検体を取り違えたとみられるということです。

検査は、同じ部屋で、この2人の患者に連続して行われ、採取した検体を入れる容器が近くに置かれていたため、間違った可能性が高いということです。

病院は2人に謝罪しましたが、前立腺を摘出した60代の男性患者には、尿漏れなどの症状が見られ、静岡県は補償について検討しているということです。

一方、80代の男性患者は、本来の治療開始から5か月ほど遅れてしまっていて、高齢のためホルモン療法を実施しているということです。

病院は再発防止策として、複数の人の検査を連続で行う際は、部屋を分けるなど手順を見直すことにしています。

静岡県立総合病院の小西靖彦院長は、会見で「患者様やご家族の心と体に負担をかけたこと、病院として信頼を裏切ることになり、心から深くおわび申し上げます」と謝罪しました。