“ハイレベルの交流促進を” 日本と中国の有識者が共同声明

日本と中国の有識者らが両国の課題を議論するフォーラムが北京で開かれ、ハイレベルの交流をいっそう促進するとともに、政府間の対話を再開することなどを提言する共同声明をまとめました。

このフォーラムは、日本の民間団体「言論NPO」などが、日中両国の有識者らを招いて毎年開いているもので、19日から北京で開かれているフォーラムには両国の大使らが出席しました。

北京に駐在する日本の垂秀夫大使は東京電力福島第一原発にたまる処理水が放出されてから、およそ2か月たった今でも1日あたり1万5000件の迷惑電話が北京の日本大使館にかかってきていると明らかにしました。

その上で「両国の国民感情の悪化が、建設的かつ安定的な日中関係を構築する道のりを困難なものにしている」と指摘し、「等身大の相手の姿を理性をもって直視する姿勢が強く求められている」と訴えました。

一方、東京に駐在する中国の呉江浩大使はビデオメッセージを寄せ「両国関係は持続的に下降するリスクに直面しており、この勢いを早急に止めることが必要だ」と述べました。

このあとフォーラムは、日中間でハイレベルの交流をいっそう促進するとともに、政府間の対話を再開することや、核不拡散にともに取り組むことなどを提言する、共同声明をまとめて閉会しました。