カナダ インド駐在の外交官41人退去 シーク教徒殺害で関係悪化

ことし6月、カナダ国内でシーク教徒の指導者が殺害された事件をめぐりインドとの関係が悪化しているカナダは、19日、安全上の懸念があるとしてインドに駐在するカナダの外交官41人とその家族を退去させたことを明らかにしました。

インドとカナダをめぐってはことし6月、カナダ西部でシーク教の指導者が殺害された事件をめぐり、9月、トルドー首相がインド政府が殺害に関与した疑いがあると指摘したことを受けて両国の関係が悪化しています。

こうした中、カナダのジョリー外相は19日、インド政府から20日までにインドに駐在するカナダの外交官を減らさないと、外交特権を剥奪すると通告があったことから「彼らの身の安全が危険にさらされることになる」として外交官41人とその家族を退去させたことを明らかにしました。

インドに残る外交官は21人に減り、領事館での業務を縮小せざるをえないとしています。

また、ジョリー外相は声明の中で「一方的な外交特権の剥奪は国際法に反する。インドによる今回の行動は、全く理不尽でエスカレートしている」とインド政府を批判する一方、「カナダ政府は外交規範を尊重し続け、この行為に応酬することはない」と強調しています。

カナダ国内にはシーク教徒が80万人近くいて、政治的な影響力もあるとされ、インド政府はインド国内では少数派のシーク教徒の独立運動を、支援する動きにならないか警戒していました。