中国 黒鉛の関連品目を輸出規制へ アメリカなどをけん制か

中国政府は、リチウムイオン電池の材料に使われる黒鉛の関連品目について、ことし12月から輸出規制を実施すると発表しました。中国向けの半導体の輸出規制を強めるアメリカなどをけん制するねらいもあるとみられます。

中国商務省と税関総署は、20日、「輸出管理法」などに基づいて黒鉛の関連品目について、輸出規制を実施すると発表しました。

それによりますと、対象となる品目を輸出する企業に対して、最終的な利用者や用途を示すなどしたうえで、政府の審査を受けて許可を得ることを義務づけるとしています。

違反した場合には処罰するとしていて、ことし12月1日から規制を実施するとしています。

黒鉛は、EV=電気自動車の普及などで需要が高まっているリチウムイオン電池の材料に使われ、中国が世界的に高いシェアを占めています。

今回の措置について、中国商務省は、国家の安全と利益を守るためだとしたうえで、特定の国や地域を対象にしたものではないとしていますが、17日に中国向けの半導体の輸出規制を強化する措置を発表したアメリカなどをけん制するねらいもあるとみられます。

中国政府は、ことし8月にも半導体の材料などに使われる希少金属、ガリウムとゲルマニウムの関連品目について、輸出規制を実施しています。

松野官房長官「中国の意図など確認 ルールに基づき適切に対処」

松野官房長官は午後の記者会見で「影響は精査中で、コメントは差し控えたい。今後、中国側に意図や運用方針などを確認し、仮にわが国に対し、WTO=世界貿易機関などの国際ルールに照らして不当な措置が講じられているということならルールに基づき適切に対応する」と述べました。