IMF 経済危機のスリランカに約500億円融資へ 事務レベル合意

IMF=国際通貨基金は、深刻な経済危機に陥っているスリランカに対して3億ドル余り、日本円でおよそ500億円の融資を行うことで事務レベルの合意に達したと発表しました。

IMFは、深刻な経済危機によって、中国などからの対外債務を支払えず事実上のデフォルトに陥ったスリランカを支援するため、ことし3月、4年間でおよそ30億ドルの融資枠を設定しました。

この融資は、財政再建など改革の進展を確認して実施されることになっていて、IMFは19日、3億3000万ドル、日本円にしておよそ500億円の融資を行うことで事務レベルの合意に達したと発表しました。

IMFは発表の中で「スリランカの改革は実を結び始めており、経済は安定化の兆しを見せている」と評価したうえで、改革の勢いを維持することが最も重要だと指摘しています。

スリランカの債務問題をめぐっては、巨額の債務負担を減らすため、債権国との交渉が鍵になっていて、スリランカ財務省は11日、中国の中国輸出入銀行とおよそ42億ドル、日本円にしておよそ6300億円の債務再編の条件などについて合意したと発表しました。

一方、債権国の日本、フランス、インドや金融機関など、民間の債権者との協議は続いていて、負担の軽減に向けた交渉で合意できるかが焦点となっています。