NY原油先物 一時90ドル台まで上昇 衝突後最も高い水準

19日のニューヨーク原油市場では、イスラエル・パレスチナ情勢が一段と緊迫化して原油の供給が減ることへの懸念が広がり、国際的な原油の先物価格が一時、1バレル=90ドル台まで上昇しました。
イスラム組織ハマスとイスラエル軍の衝突のあと最も高い水準で、高騰が続けばインフレの悪化が懸念されます。

ニューヨーク原油市場では、ハマスとイスラエル軍の衝突が起きた10月7日以降、原油価格の上昇傾向が続いていて、19日は国際的な原油取り引きの指標となるWTIの先物価格が一時、1バレル=90ドル台まで上昇しました。

1バレル=90ドル台をつけるのは10月3日以来、およそ2週間ぶりで、ハマスとイスラエル軍の衝突のあと最も高い水準です。

17日夜のガザ地区の病院の爆発を受けてイランが18日、イスラエルに対する石油の禁輸をイスラム諸国に提案したことなどを背景に、中東情勢が一段と緊迫化して産油国に影響が及べば、原油の供給が減るとの懸念が広がっていることが主な要因です。

原油価格の高騰が続けばインフレの悪化が懸念されます。

市場関係者は「イスラエルがガザ地区への地上侵攻に踏み切ればイランが関与を強めるのではないかと警戒する投資家も多い。イランとOPEC=石油輸出国機構の産油国の動向次第では原油価格がさらに上昇する可能性もある」と話しています。