イスラエル滞在の日本人や韓国人など83人 自衛隊機で出国

イスラエルに滞在している日本人や韓国人など合わせて83人が日本時間の20日未明、自衛隊機でイスラエルを出国しました。21日、日本に到着する見込みです。

イスラエル・パレスチナ情勢を受けて、政府はイスラエルにいる日本人に自衛隊機による出国を希望するか意向調査を行い、ほかの国にも搭乗を希望する人がいないか確認しました。

防衛省と外務省によりますと、出国を希望した日本人60人と外国籍の家族4人のほか、韓国人18人と外国籍の家族1人の合わせて83人が、日本時間の20日未明、航空自衛隊のKC767空中給油・輸送機でイスラエルを出発し、経由地の隣国・ヨルダンに到着したということです。

輸送機は日本時間の21日未明にも羽田空港に到着する見込みです。

自衛隊機による在留邦人などの輸送は、武力衝突が起きたアフリカのスーダンでことし4月に行われて以来、7回目です。

防衛省は今回、C2輸送機2機も派遣していて、今後の日本人などの輸送に備えてヨルダンとアフリカのジブチにそれぞれ待機させているとしています。

外務省によりますと、イスラエルとパレスチナにいる日本人は、19日時点で合わせておよそ900人で、これまでに韓国軍の輸送機で51人、日本政府のチャーター機で8人がそれぞれ出国しています。

松野官房長官「自衛隊機での出国 韓国から要望」

松野官房長官は閣議のあとの記者会見で「在留邦人に対して出国希望調査を行ったうえで、余席が生じたため、過去の邦人出国に際しての支援や相手国からの要望などを踏まえ、今回は韓国のほかアメリカ、フランス、イギリス、カナダ、オーストラリア、フィリピン、台湾、タイに対して希望の有無を確認した結果、韓国からのみ要望があった」と説明しました。

そのうえで「引き続き、政府としては状況の推移を見極めながら関係省庁が一体となり、邦人の安全確保に全力で対応していく」と述べました。

木原防衛相「日本に確実に送り届ける」

木原防衛大臣は閣議の後の記者会見で「83人を乗せた自衛隊機は、現在、経由地のヨルダンを経て羽田空港に向けて移動中で到着は21日の未明を予定している。残りの輸送機2機は、今後の任務に備えて、ヨルダンとジブチに待機中で、防衛省・自衛隊としては関係省庁と緊密に連携しながら日本に確実に送り届けるとともに、引き続き必要な態勢を維持し、現地の日本人の安全確保に全力を尽くす」と述べました。

上川外相 “韓国外相と自国民の出国に協力で一致”

自衛隊機で韓国人18人も出国したことについて、上川外務大臣は記者会見で「先日、韓国のパク・チン(朴振)外相との間で『自国民の出国に関し、お互いに助け合い協力していこう』と一致していたので、協力できたことをうれしく思う」と述べました。