“中国保有の核弾頭500発超 予測上回る速さで増強”米国防総省

アメリカ国防総省は中国の軍事動向について、保有する運用可能な核弾頭は推定で500発を超え、予測を上回る速さで核戦力を増強していると指摘した報告書をまとめ、強い警戒感を示しました。

アメリカ国防総省は、中国の軍事動向についての年次報告書をまとめ、19日、公表しました。

それによりますと、中国が保有する運用可能な核弾頭はことし5月の時点で、500発を超えたと分析しています。

その上で、2030年までに保有数は1000発を超える可能性があるとの見通しを示しました。

国防総省は、去年の報告書の中で、2035年までに中国が保有する運用可能な核弾頭はおよそ1500発にのぼる可能性があるとの予測を示しましたが、この予測を上回る速さで中国は核戦力を増強していると指摘しました。

さらに、中国は、アメリカ大陸に届く通常兵器を搭載したミサイルシステムの開発を模索している可能性があるとしています。

報告書は「中国は核戦力の近代化を加速させるとともにサイバー空間や宇宙での能力を高めようとしている」として、さまざまな領域で軍備を増強しているとして強い警戒感を示しました。

中国外務省「事実を無視し偏見に満ちている」

アメリカ国防総省が、中国が予測を上回る速さで核戦力を増強していると指摘した報告書を公表したことについて、中国外務省の毛寧報道官は20日の記者会見で「事実を無視し、偏見に満ちていて、『中国脅威論』をばらまいている。目的は、みずからの軍事的な覇権を維持する口実探しだ」と述べ反発しました。

そして「中国の戦略的な意図と国防政策を客観的で理性的に見るよう求める」と述べた上で、アメリカに対して両国の軍どうしの関係の安定化のために行動するよう求めました。