クマの被害人数 17道府県で153人に 10月は43人で先月超える

NHKが各地域局の取材を通じてまとめたところ、ことし4月以降にクマに襲われるなど被害にあった人の数はこれまでに少なくとも17の道府県で153人にのぼっています。

このうち10月に入ってからは連日被害が相次ぎ、19日までに44人とすでに先月1か月の38人を大きく上回っています。

ことし4月以降のクマによる被害を道府県別にみますと、秋田で52人と全体の3分の1以上を占めているほか、岩手で36人、福島で13人、青森で10人と東北地方を中心に相次いでいます。

このほか被害が出ているのは、長野で10人、新潟で5人、北海道で4人、山形で4人、富山で4人、岐阜で4人、群馬で3人、宮城で2人、石川で2人、福井で1人、三重で1人、京都で1人、島根で1人となっています。

また、10月に入ってからの被害を見ますと、19日までに、秋田で24人、岩手で9人、青森で3人、富山で2人、石川で2人、北海道で1人、群馬で1人、福井で1人、長野で1人となっています。

東北で秋田や岩手を中心に被害が相次いでいるほか、北陸の富山、それに先月まで被害が出ていなかった石川や福井でもけがをする人が出るなど被害が拡大しています。

被害にあわないためには

クマの被害にあわないためにどのようなことに気をつければいいのでしょうか。クマの生態に詳しい石川県立大学の大井徹特任教授に聞きました。

【クマを寄せつけないために】

まずはクマを人の生活圏に近づかせないための対策です。

クマは餌を求めて人里に近づいてくるとみられます。

柿やクリなどを好んで食べるため、実った果樹などをそのまま放置しておかずに収穫するなどしておいてください。

また、生ゴミやペットの餌を屋外に出しておかないようにしましょう。

さらに、やぶを刈ったりしてクマが身を潜めやすいような場所を減らすことも大切です。

また、住宅街に迷い込んだクマがパニックになって建物に入り込んでしまうこともあります。住宅や物置の戸締まりもしっかりとしておくようにしましょう。

【クマと遭遇したときには】

クマに鉢合わせしてしまったときにはどのように行動すればいいのでしょうか。

まずは落ち着いてクマのようすをしっかりと観察するようにしてください。

すぐに向かってこないようであれば、ゆっくりと後ずさりしてその場を離れるようにしてください。

クマは逃げるものを追う習性があるため、背中を向けて走って逃げようとしてはいけません。

万が一、襲いかかられてしまったときにはうつぶせになるなど防御姿勢をとり、首や腹などを守って致命傷を避けるようにしてください。