“西明寺栗”クマに食べられる被害で収穫量減少も 秋田 仙北

秋田県仙北市で、日本一大きい栗と言われている西明寺栗の収穫が最盛期を迎えています。ただ、ことしは、収穫前の栗をクマに食べられる被害が相次ぎ、農家の間では収穫量の減少が心配されています。

西明寺栗は、今から300年以上前に京都と岐阜から種を取り寄せて栽培したのが始まりとされ、実の大きさは平均的なもので直径4センチほどあり、日本一大きい栗として市の特産品となっています。

毎年10月中旬ごろに収穫の最盛期を迎えていて、このうち市内の八柳茂さんの栗園でも手のひらほどの大きな栗が実り、収穫作業に追われています。

ただ、ことしは、クマの出没が相次いでいて、多くが収穫前に食べられてしまったほか、山の奥にある見通しの悪い場所は襲われる危険があるため収穫を諦めました。

それぞれの農家が作業の前に爆竹を鳴らしたり、動物が近くを通ると自動で音が出る装置やラジオを設置したりして対策を強化していますが、被害が後を絶たないということです。

このため、地元の生産者で作る組合によりますと、ことしの収穫量は市全体で例年の半分程度まで落ち込む可能性があるということです。

八柳さんは「20年から30年ほど栽培していますが、例年と比べようがないほどクマによる食害が出ている。収入も減るし、どう対策したらいいかわからない」と話していました。