太平洋戦争中の空襲など被害者救済法案成立目指し署名活動開始

太平洋戦争中の空襲などによる被害者を救済する法案の成立を目指し、被害者などでつくる団体が、賛同する人の署名を集める活動を19日から始めました。

戦時中、空襲や地上戦に巻き込まれた民間人の戦争被害者は、軍人や軍属と違って国による補償の対象にならず、超党派の国会議員でつくる議員連盟は、救済に向けて、けがをして障害や傷痕が残った人などを対象に、1人あたり50万円の「特別給付金」を支給する法案をまとめていますが、国会への提出には至っていません。

被害者などでつくる「全国空襲被害者連絡協議会」は、被害者の高齢化が進む中、一刻も早い法案の成立を目指して、賛同する人の署名を集める活動を始めることになり、19日は20人ほどが厚生労働省の前で通行人に協力を呼びかけました。

署名活動は来年2月末までに50万人分を集めることを目標に、街頭では国会開会中、毎週木曜日に行うほか、メールやファックスでも受け付け、その後、総理大臣や衆参両院の議長宛てに提出する予定です。

東京大空襲で両親と妹を亡くし、3歳で孤児になった吉田由美子共同代表(82)は「私たちには、もう時間がありません。すでに補償されていると誤解されている方もいますが、実際には何もないのです。少しでも国会や一般の方に理解が広がってほしいです」と述べました。

また、緊迫するイスラエル・パレスチナ情勢について、「子どもたちの不安と恐怖の表情が自分のことと重なって、本当に胸がつまります」と話していました。