成層圏に金属を含む微粒子 人工衛星などの部品か 米研究チーム

上空2万メートル付近の成層圏で、ロケットや人工衛星の部品として使われていたとみられるアルミニウムなどの金属を含む微粒子が見つかり、研究チームは、大気やオゾン層に影響を及ぼすおそれもあると指摘しています。

この研究はアメリカなどの研究チームが、16日、世界的な科学雑誌の「アメリカ科学アカデミー紀要」に発表しました。

研究チームは22年から23年にかけて、特殊な航空機で高度2万メートル付近の成層圏を飛行し、大気に含まれている、直径1万分の1ミリ程度の細かい粒子を採取しました。

これを詳しく分析したところ、アルミニウムや銅、それに鉛やリチウムといった金属が含まれていることが分かったということです。

こうした金属は、ロケットや人工衛星の部品として使われていて、以前、採取された微粒子にはほとんど見られなかった金属もあるということです。

研究チームは、ロケットや人工衛星が大気圏に突入して高温になり、蒸発した金属が微粒子になったとみています。

地球周辺に打ち上げられる人工衛星は、近年、急速に増加していて、研究チームは、金属を含む微粒子が地球の大気やオゾン層に何らかの影響を及ぼすおそれもあると指摘しています。