長期金利 0.840%に上昇 約10年ぶりの水準

19日の債券市場では、日本国債を売る動きが一段と強まり、長期金利は、午後になって0.840%をつけ、2013年7月以来およそ10年ぶりの水準まで上昇しました。

国債は、売られると価格が下がって、金利が上昇するという関係にあります。

19日の債券市場では日本国債を売る動きが強まり、長期金利の代表的な指標となっている10年ものの国債の利回りが午後2時すぎに0.840%まで上昇しました。

2013年7月以来、10年3か月ぶりの水準です。

18日のアメリカ市場では、金融引き締めが長期化するとの見方から長期金利の指標となる10年ものの国債の利回りが2007年7月以来、およそ16年3か月ぶりに4.9%台まで上昇していて、これを受けて、日本でも長期金利の上昇圧力が高まっています。

市場関係者は「中東情勢が一段と緊迫化することへの警戒感から今週、原油の先物価格が1バレル=89ドル台をつける場面もあり、アメリカの金融引き締めが長期化するとの見方が強まっている。また、日銀の政策修正への観測も高まっていて、金利上昇につながっている」と話しています。

信託協会会長「金融機関にとって激変が一番好ましくない」

信託銀行などでつくる信託協会の梅田圭 会長は19日の会見で、長期金利がおよそ10年ぶりの水準をつけたことについて「金利上昇の背景には、日米の金利差に伴う為替の影響などあると思うが、われわれ金融機関にとっては激変が一番好ましくない」と述べたうえで「日銀の政策については、マーケットやわれわれ市場参加者とこれまでどおり、コミュニケーションをとりながら進めてほしい」と述べました。