ウクライナ「ATACMS」でロシア軍を攻撃か ロシアは欧米けん制

ウクライナ軍はアメリカから新たに供与された射程の長い地対地ミサイルATACMSを使用し、ロシアが占拠する飛行場などを攻撃したとみられています。これに対しロシア側はプーチン大統領が、ウクライナへの侵攻作戦には影響はないと主張するなどして、欧米側をけん制しています。

領土奪還を目指すウクライナはアメリカから射程の長い地対地ミサイルATACMSの供与を受け、ロシア軍が占領している南部ザポリージャ州のベルジャンシクと東部ルハンシク州のルハンシクの飛行場で攻撃を行い、ヘリコプターや弾薬庫などを破壊したとみられています。

アメリカの有力紙、ニューヨーク・タイムズは17日、欧米側の当局者の話としてアメリカが今回供与したATACMSは、およそ20発だったとしています。

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は「作戦上重要なロシアの飛行場を攻撃したことで、ロシア側は航空戦力を分散させ、一部は撤退させることになるだろう。後方地域にあるロシアの弾薬庫にも重大な脅威をもたらしている」と指摘し、今後のロシア軍の作戦に影響を及ぼす可能性があるという見方を示しています。

これに対し、中国を訪問していたロシアのプーチン大統領は「この攻撃を撃退できる。これによって戦況が劇的に変わることはまったくない」と述べ、ウクライナの戦況に影響はないと主張しました。

また、ロシアのショイグ国防相は17日、首都モスクワでベラルーシのフレニン国防相と会議を開き「両国の国境近くでNATO=北大西洋条約機構が敵対的な行動を行い情勢が悪化している」と主張し、同盟関係にあるベラルーシとの連携を強調し、欧米側をけん制しました。