セ・リーグのクライマックスシリーズのファイナルステージは、18日から甲子園球場で始まり、18年ぶりのリーグ優勝を果たした阪神と、ファーストステージを2連勝で勝ち上がったレギュラーシーズン2位の広島が対戦しました。
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セ・リーグCS 阪神が広島に逆転で初戦制す 村上が投打で活躍
プロ野球はクライマックスシリーズのファイナルステージが18日から始まり、セ・リーグは18年ぶりのリーグ優勝を果たした阪神が広島に4対1で勝ち、初戦を取りました。投打で活躍したのが村上頌樹投手。試合を決めた一打の打席について、試合後、岡田監督が明かしたのは「サインは打て!」でした。
阪神が逆転で初戦制す
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阪神は最優秀防御率のタイトルを獲得した村上頌樹投手が先発し、4回に犠牲フライで1点を先制されましたが、打線はそのウラ、ドラフト1位ルーキーの3番・森下翔太選手がソロホームランを打ちすぐに同点に追いつきました。
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5回には、1アウト一塁三塁の場面で村上投手がみずからタイムリーツーベースを打って1点を勝ち越し、続く1番・近本光司選手も2点タイムリーを打ち、この回一挙3点を挙げてリードを奪いました。
村上投手は、持ち味のコントロールのよいピッチングで6回1失点と好投し、リリーフ陣も無失点に抑えて阪神が4対1で勝って、初戦を取りました。
ファイナルステージはリーグ優勝のチームに1勝のアドバンテージが与えられ、先に4勝したほうが日本シリーズに進みます。
阪神は1勝のアドバンテージを含めて対戦成績を2勝0敗としました。
広島は、ファーストステージでの中継ぎ登板から中3日での先発となる九里亜蓮投手が5回4失点と粘れず、打線もヒット4本に抑えられて初戦を落としました。
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第2戦の予告先発(19日)
▽阪神:伊藤将司投手
▽広島:大瀬良大地投手
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《阪神 監督・選手談話》
岡田監督「そら大きいよ」
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阪神の岡田彰布監督は、5回にバッターがいずれもファーストストライクを打って3連打などで逆転したことについて「シーズン中の戦い方を見ても相手はフォアボールがいちばん、嫌だと思う。どんどんストライクが来るのできょうは最初から打ってもいいと選手に伝えていた」と明かしました。
そのうえで、大事な初戦を取ったことについては「そら大きいよ」と話し、引き上げていきました。
村上頌樹「助けてもらった」
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勝ち投手となった村上頌樹投手は「初戦だったのでチームを勢いづけられるよう準備してきた。あまり調子はよくなかったが、野手が守ってくれて1失点にしのいでくれた。助けてもらった」と振り返りました。
5回の勝ち越しタイムリーについては「なるべくダブルプレーにはならないように、三振でもオーケーという気持ちで入ったのがよかった。なんとか1点を取ろうという気持ちでいた」と話していました。
森下翔太「すぱっと4勝して勝ちきりたい」
4回に同点のソロホームランを打った森下翔太選手は「自分自身冷静で打席に入った時から自分の構えができていたのでこの打席は打てるなと思っていた」と笑顔を見せました。
ルーキーの森下選手は初めて臨むクライマックスシリーズについて「いい緊張感はあるが、震えるほどの緊張感はない。この戦いを楽しみにしていたので満員のお客さんの中で1本打てたのはよかった。あすとあさっても連勝してすぱっと4勝して勝ちきりたい」と話していました。
近本光司「インコースかアウトコース両方狙っていた」
また、5回に追加点となる2点タイムリーヒットを打った近本光司選手は「短期決戦は決め球ばかり来るものだと思ったので、インコースかアウトコース、どちらかだと思って両方狙っていた」と振り返りました。
そして、村上投手のピッチングについて触れ「すごく緊張しているなと思っていたが、試合を作ってくれるいいピッチャーなのでなんとか勝ちたいなと思っていた」と話しました。
《広島 監督・選手談話》
新井監督「しっかり切り替えてあしたに入っていきたい」
新井貴浩監督は、「またあした。いろいろあるけどしっかり切り替えて、あしたに入っていきたい。九里投手は、5回にバッターを追い込んでから与えたデッドボールが本人ももったいなかったと思っていると思う。ただ、それも含めて中3日でよく頑張ってくれた。次の登板に備えてほしい」と話していました。
九里亜蓮「申し訳ない」
広島先発の九里亜蓮投手はリリーフで登板したファーストステージから中3日で先発しましたが、5回4失点とふんばれませんでした。
九里投手は「中3日での登板は問題ない。先制点を取ってもらったのに追いつかれて逆転されたので申し訳ない」とことば少なでした。
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【解説】村上へのサインは「打て!」
阪神は5回、チャンスで村上頌樹投手のタイムリーツーベースで勝ち越し逆転勝ち。短期決戦で代打も考えられる状況でしたが、試合後、岡田彰布監督は「最初から代打は考えていなかった。サインは打て!だった」と明かしました。
阪神の先発はコントロールの良さが持ち味で、最優秀防御率のタイトルを獲得した3年目の村上投手でした。
しかし、村上投手が「思い通りのピッチングと言えるような出来ではなかった」と振り返るように、3つのフォアボールを与えるなど5回を終えての球数は87球に達していました。
同点で迎えた5回、一塁・三塁のチャンスで打席に立ったのが9番の村上投手でした。
ここで得点を挙げれば、試合の流れを大きく変えるとも言える場面。代打も予想されましたが、岡田監督はそのまま打席に送りました。
次の1番バッターは、得点圏打率リーグトップの近本光司選手であるだけに一塁ランナーを送るバントやスクイズも考えられました。
ところが、ここでサインは「打て!」でした。
岡田監督の期待に応えた村上投手は、初球を振り抜いてライトへ勝ち越しのタイムリーツーベース。決勝点となりました。
岡田監督はこの場面について「1番防御率のいい、抑えているピッチャー。6回までは行かせるつもりで、代打は最初から考えていなかった。村上投手はバッティングもいいので」と理由を明かしました。
村上投手は「チャンスが広がったら代打があるのかなと思っていたが、ベンチから誰も出て来なかったので打席に向かった。『打て』のサインだったので初球からいこうと思った。何とか点を取れたのでよかった」と振り返り、岡田監督の意図をくみ取っていた様子でした。
監督の信頼に選手が応える、レギュラーシーズン中のような強さを見せた勝ち越しの場面でした。