辺野古工事「代執行」裁判 沖縄県が答弁書を高裁に提出

沖縄県のアメリカ軍普天間基地の移設先とされる名護市辺野古での地盤改良工事について、国が県の代わりに工事を承認する「代執行」に向けて起こした裁判が、今月30日に始まるのを前に、沖縄県は18日「県民の同意を得ない状況で代執行は認められるべきではない」として、訴えを退けるよう求める答弁書を福岡高等裁判所那覇支部に提出しました。

普天間基地の移設先となっている名護市辺野古沖では、埋め立て予定地で軟弱な地盤が見つかり、国が地盤の改良工事を行うため設計の変更を申請しましたが、県が「不承認」としたため工事が進んでいません。

この工事をめぐり、最高裁判所で先月、県の敗訴が確定しましたが、県が申請を承認しないため、今月5日、国は県に代わって承認を行う「代執行」に向けて、福岡高等裁判所那覇支部に訴えを起こしました。

訴えでは、辺野古沖の埋め立て工事が遅れることは「国の安全保障と普天間基地の固定化の回避という重要課題に関わり、著しく公益を害することは明らかだ」などとして、地方自治法に基づく代執行の要件を満たしていると主張しています。

これに対し、県は18日、裁判所に国の訴えを退けるよう求める答弁書を提出しました。

この中で県は「『公益を害する』という国の主張が正しいかどうかについて、最高裁判所では判断されていない。県民の明確な民意が『公益』として考慮されるべきで、県民の同意を得ない状況で代執行は認められるべきではない」などと反論しています。

1回目の口頭弁論は今月30日に開かれる予定で、玉城知事みずから出席し、県の考えを訴えることにしています。