熊本 天草市の漁港周辺でイワシが大量死 県が原因調査へ

18日朝、熊本県天草市の漁港の周辺でイワシが大量に死んでいるのが見つかり、県や市などが回収を進めていて、県は今後、原因を調べることにしています。

熊本県水産研究センターや天草市によりますと18日朝、天草市五和町の御領漁港で、イワシが大量に死んでいるのが見つかったということです。

死んだイワシは、港の周辺の広い範囲で海面に浮かんでいる状態で確認され、量は詳しく分かっていませんが、数トンから10トンほどに上るとみられるということです。

イワシは腐敗が進んでいることから、死んでから数日たって海面に浮かんできたとみられますが、周辺の海域ではプランクトンの量に異常はなく、赤潮も確認されていないということです。

県と市の職員や漁港の関係者などが回収を進めていて、県が今後、原因を調べることにしています。

御領漁港の様子は

御領漁港では、魚の腐ったようなにおいが立ちこめる中、地元の漁業者や漁協の職員などがイワシの回収作業にあたっていました。

NHKが撮影した映像では、港周辺の海面は大量の死んだイワシで白く覆われていました。

港ではイワシが広がらないよう、漁業者によってオイルフェンスを設置され、桟橋から「たも網」ですくったり、岸壁のクレーン車から下ろした網で引き上げたりする作業が行われていました。

作業を見守っていた近くに住む70代の男性は「こんなことは初めてです。港のそばにいる人たちは、においが大変だと思います」と話していました。

天草市の宮本周幸経済部長は「漁業者からは生けすの魚が死んでいるという被害も聞いている。広範囲にわたって魚が死んでいたり、海底から魚が浮いてきたりしていて、回収が終わるめどはたたない状況だ」と話していました。

長崎 南島原でもイワシが大量死

長崎県南島原市の漁港がある湾内で大量のイワシが死んでいるのがわかりました。

県が調べたところ湾内の酸素濃度が通常の3分の1程度に低下していたということで、詳しい原因を調べています。

県によりますと、17日の朝、南島原市の加津佐漁港で大量のイワシが死んでいると漁協から県に連絡がありました。

NHKが18日午後、現地を取材したところ、漁港がある湾内には数え切れないほどのイワシが死んで浮かんでいて周囲には生臭いにおいが漂っていました。

漁場の環境保全を行っている県の部署が調査を行ったところ、水温や塩分濃度、それに有害なプランクトンの量に異常はありませんでしたが、酸素濃度が通常の3分の1ほどに低下していたことが分かったということです。

漁協によりますと、死んだイワシの数は18日にかけてさらに増えているということです。

港を管理する県は詳しい原因を調べるとともに、地元の人たちからイワシのにおいに関する苦情が寄せられていることから、今後、撤去することを検討しています。

島原半島南部漁協加津佐支所の木村大地支所長は「においが強くて耐えられない。近隣の人にも迷惑になっているので、県には早く対応してほしい」と話していました。