“道路陥没めぐる情報公開請求で個人情報漏えい” 住民が提訴

3年前に見つかった東京調布市の道路陥没をめぐり情報公開請求を行った市内に住む男性が、氏名などの個人情報を陥没の原因とみられるトンネル掘削工事を行った事業者などに市が漏らし、プライバシーを侵害されたなどとして、賠償を求める訴えを起こしました。

東京地方裁判所立川支部に訴えを起こしたのは、調布市の70代の男性です。

この問題は、陥没が見つかった場所の地下で行っていた「東京外かく環状道路」のトンネル掘削工事について男性が情報公開請求をしたあと、調布市が事業者の東日本高速道路などに9件の請求書のコピーを共有した際、個人情報へのマスキングを怠り、男性の氏名や住所、連絡先が漏えいしたもので、市はおととし、男性に謝罪しています。

訴えによりますと、男性はその後、個人情報が漏えいした経緯を知るため、メールなどの証拠を復元するよう市に求めましたが、拒否されたなどとしています。

男性はこうした市の対応によって個人のプライバシーや行政と事業者の関係性を知る利益が侵害されたとして、調布市に対し、900万円の損害賠償を求めています。

男性は記者会見で「初めに知ったときは気味が悪くて、何が起きているのだろうと思った。調布市は『意図的でない』としているが、意図的だったと思う」と話しています。

一方、調布市は「詳しい内容が確認できていないため、現時点でのコメントは差し控えたい」というコメントを出しました。