米バイデン大統領 ガザ病院爆発「イスラエル以外の勢力」

イスラエル・パレスチナ情勢が緊迫の度合いを増す中、アメリカのバイデン大統領がイスラエルを訪問し、ネタニヤフ首相との首脳会談に臨みました。

バイデン大統領はイスラム組織ハマスによる攻撃を受けたイスラエルへの連帯を示した上で、ガザ地区の病院の爆発について、イスラエル以外の勢力が起こしたとの見方を示しました。その根拠について「アメリカ国防総省が示した情報だ」と述べました。

バイデン大統領「アメリカはイスラエルとともにある」

アメリカのバイデン大統領は日本時間の18日午後5時ごろ、大統領専用機でイスラエルのテルアビブに到着しました。その後、バイデン大統領はネタニヤフ首相と会談し、冒頭「アメリカはイスラエルとともにある」と述べ、イスラエルへの連帯を示しました。

その上で、ハマスについて「テロリストの集団だ」として、イスラエルへの攻撃を厳しく非難しました。そして「ハマスはすべてのパレスチナの人たちを代表しているわけではないことを心にとめておくべきだ」とも述べ、パレスチナの住民とハマスは別だと強調しました。

また、17日に起きたガザ地区の病院の爆発について「ほかの勢力によって引き起こされたようだ」と述べ、イスラエル以外の勢力によるものとの見方を示しました。一方、ネタニヤフ首相はハマスによるイスラエルに対する大規模攻撃の残忍さをあらためて非難した上で「イスラエルはハマスを倒すために団結している。イスラエルの国民はアメリカの支援に感謝している」と述べ、訪問を歓迎しました。

会談では、イスラエルへのアメリカの追加の軍事支援や人道危機が懸念されているガザ地区に必要な支援物資を送ったり、住民が避難したりするための人道回廊の設置をめぐり、協議したものとみられます。また、イスラエルによるガザ地区への地上侵攻の可能性が高まるなか、バイデン大統領は住民の犠牲を最小限に抑えるようイスラエル側に強く求めたものとみられます。

一方、バイデン大統領はイスラエルのあとヨルダンを訪れてパレスチナ暫定自治政府のアッバス議長らと人道支援について協議する予定でしたが、ガザ地区の病院で起きた爆発を受けて、延期を余儀なくされ、難しい対応を迫られています。

バイデン大統領「人質解放にあらゆる手段を示す」

イスラエルを訪問しているアメリカのバイデン大統領はネタニヤフ首相との首脳会談など一連の日程のあと「人質の家族へ、あなたはひとりではありません。私たちが地域全体のパートナーと取り組んでいるのは、ハマスの人質となっている人を家に連れ帰るあらゆる手段を示すことだ」と述べました。

バイデン大統領 「米国防総省が示した情報」

アメリカのバイデン大統領は18日、ガザ地区の病院の爆発についてイスラエル以外の勢力が起こしたとの見方を示した根拠について、訪問先のイスラエルで記者団から問われ「アメリカ国防総省が示した情報だ」と述べました。

バイデン大統領「さらなる悲劇を生まないため支援続ける」

バイデン大統領は、ネタニヤフ首相との首脳会談のあと、イスラエル側の「戦争管理内閣」との会合に臨みました。

この中でネタニヤフ首相は「これは違う戦争になる。ハマスはこれまでとは異なる敵だからだ」と述べました。その上で「戦争を進める上でイスラエルは民間人を危険から遠ざけるためできるかぎりのことをする。民間人には安全なところへ移動するよう要請してきたし、今後も要請を続ける」と述べました。

これに対しバイデン大統領は「イスラエルのさらなる悲劇を生まないために、アメリカは支援を続ける。アメリカは、きょうも明日もこれからもイスラエルとともにあり続ける」と述べました。

バイデン大統領 被害にあった住民たちと面会

イスラエルを訪問しているアメリカのバイデン大統領は、イスラム組織ハマスによるイスラエルへの攻撃で被害にあったイスラエルの人たちや救助隊員、それに医療関係者などと面会しました。

バイデン大統領は、イスラエルの住民からイスラム組織ハマスからの攻撃を受けたときの様子を聞き、一人ひとり抱擁して慰めていました。

面会したイスラエルのボランティアの救助隊員のひとりはバイデン大統領に対し「私たちの仲間が殺害されたり、捕らえられたりしている。イスラエルを支持してくれてありがとう」と述べました。

また、医療関係者は「攻撃を受けた日には大勢の被害者の手当てをする覚悟をするよう病院から伝えられた。実際にけがをした多くの子どもたちを手当してきた」と述べました。

これに対してバイデン大統領は「医師のあなたがやっていることはとても大事だ」と声をかけていました。

そして面会の最後、バイデン大統領は「苦しみが長すぎると冷酷になってしまうが、ここにいる誰もそうなっていない。皆、どのように現状に対処すべきか理解していると確信している」と述べて、イスラエルの人たちに寄り添う姿勢をあらためて示しました。