オーバーツーリズム 政府が対応策 モデル地域で集中的取り組み

政府は、観光地などに旅行者が集中することで地元住民の暮らしに影響が出る、いわゆる「オーバーツーリズム」を防ぐための対応策をまとめました。全国で20程度のモデル地域を定め、公共交通の混雑解消などに集中的に取り組む方針です。

コロナ禍から観光需要が急速に回復する中、外国人も含め旅行者が観光地などに集中することで、公共交通の混雑や周辺でのゴミの散乱といったマナー違反など、地元住民の暮らしに影響が出る、「オーバーツーリズム」に対する懸念が広がっています。

政府は18日、総理大臣官邸でこうした問題の解消に向けた関係閣僚会議を開き、対応策をまとめました。

全国で20程度のモデル地域を定め、地元で策定された計画に基づいて集中的に取り組む方針です。

対策としては、
▽鉄道で混雑状況に応じた変動運賃の導入や、
▽混雑していない観光ルートへの誘導、
それに
▽私有地への立ち入りを防ぐ防犯カメラの設置支援などを想定しています。

また国は、観光地を訪れた場合に税や料金を徴収する「入域料」の導入など具体策を取りまとめたガイドラインを策定し、取り組みを促すとしています。

さらに、都市部に集中する旅行者を分散させるため、地方の観光地の魅力向上や受け入れ環境の整備などを進めるとしています。

岸田総理大臣は「一部の地域や時間帯によっては、過度の混乱やマナー違反による地域住民の生活への影響や、旅行者の満足度の低下への懸念も生じている。対策の内容を経済対策に反映し、持続可能な観光地づくりに向けて、政府一丸となって戦略的に取り組んでもらいたい」と述べました。