【100mノーカット動画】世界一速い96歳のおばあちゃん

広島県の離島で暮らす96歳の女性。

ことしのマスターズ陸上女子100メートルの年代別で世界記録を樹立しました。

世界一のスピードの秘けつに迫りました。
(広島局 武石多唐カメラマン)

本人もビックリの世界新記録【ノーカット動画でどうぞ】

瀬戸内海に浮かぶ広島県の大崎上島で暮らす川本静子さん(96)

ことし6月に行われた広島マスターズ陸上の女子100メートル、95歳以上99歳以下の部で世界新記録を出しました。

川本静子さん
「今までの記録を聞いたことないから。自分でも世界一というからビックリした」

家族に勧められて初めて大会に出場。

これまでの記録より1秒以上速い28秒85のタイムをたたき出したのです。

見守った孫やひ孫も大興奮でした。

静子さんの家族
「世界記録、ヤバすぎ!ヤバい!」

娘に「私のほうが速い」と言い続け…

8人きょうだいの長女として島で育った静子さんは、スポーツの経験はほとんどありません。

しかし、幼い頃から運動が大の得意で、同じ島に住む娘の圭子さんに「走るのは私の方が速い」と90歳を過ぎてからも言い続けていたといいます。

娘の圭子さん
「日頃から私より速い速いと言って、お母さんにずっと言われていました」

静子さんの快挙に島の人たちも驚きを隠せません。

島でも話題になっています。

静子さんの友人
「買い物に行っても、川本さんは世界一という話が出てうれしかったです」

強じんな足腰はこうして鍛えられた

体は日課の野菜作りで鍛えられました。

60歳を過ぎてから始めましたが、今でも種まきから収穫まで1人で行っています。

静子さん
「(Qきつくない?)どうもないでこのくらい。96歳になっても農具を使って耕すことができてうれしい」

速く走る秘けつは体の柔らかさです。

およそ20年間、毎朝欠かさずストレッチを行っています。

朝以外にも時間があればストレッチ。

さらに筋力をつけるための運動も行っています。

まさかの転倒 それでも

健康な母の姿を間近で見ている娘の圭子さんは、何よりも気持ちの強さが元気の源だといいます。

娘の圭子さん
「弱音を吐かないです。見たことがない。1本自分があるというか芯の強いお母さんです」

気持ちの強さを象徴するシーンがありました。

60メートルと100メートルを走ったあとの200メートルのレースです。

ゴール直前でつまずいて転倒。

しかし、静子さんはすかさず立ち上がり、この日の3本目となったレースを最後まで走りきりました。

転びながらも日本記録を更新するタイムでゴール。

静子さんの走りを近くで見ていた家族はその姿に励まされていました。

娘の圭子さん
「何でも挑戦して頑張って行動するという勇気をもらいました。お母さんみたいに生きたい」
ひ孫の和奏さん
「おばあちゃんの姿を見て自分たちが元気をもらえます。家族の希望の星です」

家族との時間が一番の幸せだと話す静子さん。

楽しい毎日を送るために、これからも運動を続けます。

静子さん
「1人だったらこんな元気でいられない。自分のためでもあり家族のためでもあります。一日一日元気で、ずーっと健康でいられたらこれ以上のことはないです」