新聞協会賞 精神科病院での虐待を報道のNHK取材班などが表彰

優れた報道に贈られる今年度の新聞協会賞の授賞式が18日に行われ、東京の精神科病院での虐待をスクープし、精神医療が抱える問題を明らかにした、NHKの取材班などが表彰されました。

新聞協会賞の授賞式は18日、長野県軽井沢町で開かれた新聞大会で行われました。

この中で、東京 八王子市の精神科病院で患者が暴行される内部映像をきっかけに、違法な身体拘束や入院患者の8割が死亡退院しているといった事実を突き止め、精神医療が抱える問題を明らかにした、NHKの取材班が表彰されました。

取材班の代表で、制作局第1制作センターの真野修一チーフプロデューサーは、「精神科病院の内情に関心が向けられない中で問題が繰り返されてきた。今後も埋もれがちな社会課題や声が届きにくい人たちの声を社会に届け、状況を改善していくことを使命として、取材制作を続けていきたい」とあいさつしました。

新聞協会賞はこのほか、次の報道が受賞し、担当者が表彰されました。
▼海外で行われた日本人の患者への臓器売買の実態を伝えた、読売新聞社の報道
▼神戸連続児童殺傷事件の記録を裁判所がすべて廃棄していた事実を明らかにした、神戸新聞社の報道
▼沖縄県渡嘉敷島の集団自決の生存者の姿や思いを写真で伝えた、毎日新聞社の報道
▼被差別部落出身の若手記者が部落問題を中心に現代の人権問題を伝えた、西日本新聞社の企画報道