米下院議長 投票も選出されず 共和党の分裂状況が浮き彫りに

アメリカ議会では今月3日に解任された下院議長の後任を選ぶ投票が行われましたが、多数派を占める共和党の議長候補が党内の支持をまとめきれず、議長に選出されませんでした。共和党の分裂した状況が浮き彫りになった形です。

アメリカ議会下院では、多数派を占める共和党の内部対立で今月3日に議長が史上初めて解任され、共和党は党内で投票を行い、トランプ前大統領に近いジョーダン議員を後任の議長候補とすることを決めました。

これを受けて17日、議長を選出するための投票が本会議で行われましたが、共和党議員20人がジョーダン氏を支持せず、ジョーダン氏は過半数に17票足りず、選出されませんでした。

本会議はその後、休会となり、ジョーダン氏が再投票に向けて各議員への働きかけを行っているとみられます。

下院議長をめぐっては、ことし1月に前議長を選出した際にも、共和党の保守強硬派の反対で15回の投票が必要になる164年ぶりの異例の事態となりました。

共和党内からはイスラエル・パレスチナ情勢が緊迫の度合いを増す中、イスラエルを支援できるよう、いち早く議会を正常化すべきだという声が上がっていますが、党の分裂した状況が改めて浮き彫りになった形です。

議長の解任によって下院では2週間、審議や採決が行われておらず、アメリカの外交を含む政策全体が停滞することへの懸念が高まっています。