【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(18日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる18日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

プーチン大統領「共通の外的な脅威はロシアと中国の関係強化を」

中国の北京を訪れたロシアのプーチン大統領は、習近平国家主席との首脳会談のあと、日本時間の18日の午後7時前から会見を行いました。プーチン大統領は、およそ3時間にわたった会談で2国間関係の課題のほか、ウクライナ情勢や、イスラエル・パレスチナ情勢について意見を交わしたと明らかにしました。

そのうえで「共通の外的な脅威は、ロシアと中国の相互関係を強めることになる」と述べ、ウクライナへの軍事支援を続けるアメリカに対抗するためにも中国との連携をいっそう強める考えを示しました。

また、プーチン大統領は「ロシア空軍は黒海の公海上空で常時のパトロールを開始した。われわれのミグ31戦闘機は極超音速ミサイル『キンジャール』を装備している」と述べ、ウクライナ側が反転攻勢を強める黒海でロシア空軍が活動を強化したことを明らかにしました。

また、アメリカからウクライナ軍に新たに供与された射程の長い地対地ミサイルATACMSについて「この攻撃を撃退できる。これによって戦況が劇的に変わることはまったくない」と述べ、ウクライナの戦況に影響はないと主張しました。

ロシア 黒海の公海上空でパトロール開始

中国の北京を訪問しているロシアのプーチン大統領は記者団に対して、ウクライナ軍による反転攻勢について「南部ヘルソン州でも反転攻勢が始まったが結果がでていない。南部ザポリージャ州でもだ」などと述べ、ウクライナ側が大きな損害を受けていると主張しました。

また「アメリカがこの紛争にますます関与していることは明らかだ」と述べウクライナへの支援を行うアメリカを非難しました。

そしてプーチン大統領は「私の命令によってロシア空軍は黒海の公海上空で常時のパトロールを開始した。われわれのミグ31戦闘機は極超音速ミサイル『キンジャール』を装備している」と述べ、黒海上空でロシア空軍の活動を強化したことを明らかにし、ウクライナやアメリカなどをけん制しました。

プーチン大統領「ATACMSによって戦況が変わることはない」

中国の北京を訪問しているロシアのプーチン大統領は記者団に対して、アメリカからウクライナ軍に新たに供与された、射程の長い地対地ミサイルATACMSについて「われわれは、この攻撃を撃退できる。これによって戦況が劇的に変わることはまったくない。ウクライナにとって何もいいことがなく、苦しみが長引くだけだ」と主張しました。

ウクライナ 米供与のATACMSでロシア占拠の飛行場など攻撃か

領土奪還を目指すウクライナ軍はアメリカから新たに供与された射程の長い地対地ミサイルATACMSを使用し、南部や東部でロシアが占拠する飛行場などを攻撃したとみられています。

ATACMSは、今後のロシア側の侵攻作戦に影響を及ぼす可能性があるという見方がでています。

ウクライナのゼレンスキー大統領は17日、アメリカに供与を求めていた射程の長い地対地ミサイルATACMSについて「その能力を証明した」と述べ、軍のザルジニー総司令官もATACMSの発射の様子とみられる動画を投稿しました。

ウクライナ軍はロシア軍が占領している
▽南部ザポリージャ州のベルジャンシクと
▽東部ルハンシク州のルハンシクのそれぞれの飛行場に対し攻撃を行い、ヘリコプターや弾薬庫などを破壊したと17日に発表し、この攻撃にATACMSが使われた可能性が指摘されています。

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は17日「ATACMSで作戦上重要なロシアの飛行場を攻撃したことで、ロシア側は航空戦力を分散させ、一部は撤退させることになるだろう」と分析しました。

また「ATACMSは後方地域にあるロシアの弾薬庫にも重大な脅威をもたらしている」と指摘し、今後のロシア軍の作戦に影響を及ぼす可能性があるという見方を示しています。

一方、ロシア軍は東部ドネツク州のアウディーイウカで大規模な作戦に乗り出しているとみられています。

さらにイギリス国防省は18日、ロシア軍が過去2週間、東部のハルキウ州クピヤンシクからドネツク州リマンにかけての戦線で攻撃を大幅に強化していると指摘しました。

ウクライナ軍もこの戦線での防衛を維持しているとしていて、激しい攻防が続くとみられます。

ロシア軍 ウクライナ東部で「最重要作戦」か 英国防省

ロシア軍はウクライナ東部ドネツク州のアウディーイウカへの攻勢を強めていて、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は16日、「ロシア軍は作戦を強化するため新たに旅団を派遣した可能性が高い」と指摘しました。

また、イギリス国防省も17日、「アウディーイウカはロシア軍によるドネツク州の掌握を阻止するための主要な街となってきた。ロシア軍はここを包囲しようとし、ことし1月以降で最も重要な攻撃作戦になっているとみられる」と指摘し、大規模な作戦に乗り出しているという見方を示しました。

一方、ウクライナ側は守りを固め、ロシア軍の侵攻を食い止めていて、ロシア側に大きな損失が出ているとも分析しています。

ロシア ショイグ国防相「武器を補充することが特に重要」

こうしたなか、ロシア国防省は17日、ショイグ国防相が弾薬などの製造の増強に向けた会議を開き、「武器を補充することが特に重要だ」と強調したと発表しました。

また、ロシアのシルアノフ財務相は16日、議会で「現在、ほとんどの無人機は中国から来ているものだ」と明らかにしたうえで、ロシア国産の無人機の割合を2025年までに4割まで引き上げる考えを示しました。

ロシアはウクライナ侵攻でもイラン製の無人機を使ってインフラ施設などへの攻撃を繰り返していますが、プーチン政権としては外国の輸入に依存せず無人機の国産化を進めていくねらいとみられます。

ウクライナ 米供与の「ATACMS」初使用か

ウクライナのゼレンスキー大統領はアメリカに供与を求めていた射程の長い地対地ミサイルATACMS(エイタクムス)について、「その能力を証明した」と述べ、ロシア軍に対する攻撃に使用したものとみられます。

ウクライナのゼレンスキー大統領は17日、SNSで、「きょうはアメリカに特別な感謝を表したい。バイデン大統領との合意は実行されている。ATACMSはその能力を証明した」と述べました。

さらに、ウクライナ軍のザルジニー総司令官も17日、SNSに、「ATACMS」という単語とともに、発射の様子とみられる動画を投稿し、ロシア軍に対する攻撃に使用したものとみられます。

アメリカの有力紙、ウォール・ストリート・ジャーナルは17日、関係者の話として、ウクライナ軍がロシア軍への攻撃にATACMSを初めて使用したと報じました。

ATACMSはここ数日の間に、アメリカが秘密裏にウクライナに少量を供与したもので、ミサイルの射程はおよそ160キロだと伝えています。

ATACMSはすでにウクライナに供与されている高機動ロケット砲システム=ハイマースからも発射できる上、長い射程を生かして、前線の後方にある標的も攻撃できるため、ウクライナが繰り返し供与を求めていました。

一方、ウクライナ南部ザポリージャ州のロシア側の幹部は17日、ウクライナ軍が奪還を目指す州内の港湾都市ベルジャンシクでATACMSが使われたとSNSで主張し、ウクライナやアメリカを批判しました。