世界ランキング19位の日本は今月13日、世界44位のカナダとの強化試合を4対1で勝利し、17日夜は神戸市で、来月から始まる2026年のワールドカップアジア2次予選に向けた最後の強化試合として世界29位のチュニジアと対戦しました。
チュニジアは去年6月の強化試合で0対3で敗れている相手です。
日本は先発メンバーをカナダ戦から7人入れ替え、前線には久保建英選手や旗手怜央選手、それに古橋亨梧選手などが入りました。
サッカー日本代表 強化試合 チュニジアに勝利
サッカー日本代表は17日夜、神戸市でチュニジアと強化試合を行い、古橋亨梧選手のゴールなどで2対0で勝ちました。日本はことし6月の強化試合から6連勝です。
相手は世界ランク29位のチュニジア
試合経過は
日本は前半からボールをキープして何度もゴールに迫り、43分、相手の選手に当たってゴール前に転がったボールを古橋選手が落ち着いて決めて先制し、1点リードで試合を折り返しました。
後半も日本が主導権を握り、24分、久保選手の左サイドの崩しから、パスを受けた伊東純也選手が冷静にゴールを決めて突き放しました。
守ってはチュニジアにゴール前でのプレーをほとんど許さず、シュート1本に抑え、5試合ぶりの無失点で2対0で勝ちました。
日本はこれで6月の強化試合から6連勝とし、来月から始まるワールドカップのアジア2次予選に向けて弾みをつけました。
日本はアジア2次予選でシリア、北朝鮮、ミャンマーと同じグループに入り、来月16日の初戦でミャンマーと対戦します。
“攻守で隙のない試合運び” 試合を振り返って
日本代表はワールドカップのアジア2次予選を控えた最後の強化試合で、攻守において隙のない試合運びを見せました。
この試合は久保建英選手を攻撃の司令塔「トップ下」に置き、ワントップには古橋亨梧選手を先発起用。
久保選手はトップ下でありながら両サイドにも展開し、伊東純也選手や旗手怜央選手と連係して何度もチャンスを生み出しました。
前半の先制シーンはその久保選手からでした。
旗手選手にボールが渡り、最後は相手選手に当たったボールを古橋選手が落ち着いて流し込みました。
後半の追加点も久保選手がチャンスメーク。
左サイドの崩しからフリーの伊東選手がうまく合わせてゴールネットを揺らしました。
去年6月の強化試合で0対3で完敗した相手に快勝し、久保選手は「結果がすべてで、内容もよかった」と晴れやかな表情で試合を振り返りました。
さらに、これまでの試合で課題となっていた守備でも成長が見られました。
ここ4試合、勝利しながらも毎回失点し、今月13日のカナダ戦は試合終了間際に隙を突かれて失点するシーンがありました。
しかし、この試合は終始相手にプレッシャーをかけてピンチの芽を摘み、許したシュートはわずか1本。
試合終了間際の唯一のシュートがゴールポストに当たり、あわや失点という場面もありましたが、それでも全体を通して相手に攻め込む隙を与えない危なげない試合運びでした。
守備の中心を担う冨安健洋選手は「最後の場面は僕のマークが甘くなったが、チーム全体の守備としてはよかったと思う」と振り返りました。
さまざまな選手が活躍した一方で、けが人やコンディション不良の選手が相次いだことは不安材料となりました。
中心選手の三笘薫選手が体調不良で辞退したほか、カナダ戦でゴールをあげた中村敬斗選手が相手選手との接触でけがをしました。
ディフェンダーの伊藤洋輝選手もコンディション不良のため途中でチームを離脱しました。
森保監督は強化試合での手応えを口にしつつも、「アジアの予選は全くの別物で、雰囲気や環境も厳しい。覚悟を持って戦いたい」と気を引き締めていました。
<選手・監督 試合後のインタビュー>
古橋亨梧「このスタジアムで決められたことがうれしい」
先制点を決めた古橋亨梧選手は「チームが勝ったこと、勝利に貢献できるゴールを決められたこと、そして、このスタジアムで決められたことが本当にうれしい」と話し、Jリーグ時代に所属したヴィッセル神戸の本拠地、ノエビアスタジアム神戸での活躍を喜びました。
来月から行われるアジア2次予選に向けては「まだまだ個人としてもチームとしても成長するし、成長しないといけない。クラブに帰ってまた頑張りたい」と決意を新たにしていました。
伊東純也「何とかゴールに絡んでやろうと思った」
後半に追加点となるゴールを挙げた伊東純也選手は「久保選手が突破したときによく見てくれていた。抑えて枠の中に蹴ろうと思った。いいところに行ってよかった」とゴールシーンを振り返りました。
日本が終始攻める形となった試合展開の中でのプレーについては「前半、相手が自分がいるサイドに人数をかけて守っていて、ボールを受ける回数が少なかったけれど、何とかゴールに絡んでやろうと思っていた」と話していました。
久保建英「非常にいい流れが来ている」
攻撃の起点となった久保建英選手は「チーム全体として、ワールドカップの予選前に無失点で締められたことはすごくよかった」と手応えを口にしました。
そして、「観客の皆さんは僕たちが点を取ると期待して会場に来てくれていると思うし、今のところはチームみんなでその期待に応えられていて、非常にいい流れが来ている。みんなが期待してくれるような日本代表になっている」と話し、自信を深めた様子でした。
来月から行われるアジア2次予選に向けては「予選を通じて、サッカーを好きになってもらえる人が増えるように、僕らもピッチ上でいいプレーを見せていきたい」と意気込みを語りました。
森保監督「アグレッシブにチャレンジしてくれた」
森保一監督は試合後の会見で「強固な守備を特徴とするチームに対し、バランスよくボールを動かしながら、アグレッシブにチャレンジして得点に結び付けてくれた」と攻撃面を評価しました。
そのうえで、ワールドカップのアジア2次予選の戦いに向けて「ここまでの勝利で慢心や過信が生まれないように気を引き締めていきたい」と話していました。
キャプテン遠藤航「シンプルに評価していい」
キャプテンの遠藤航選手は「もっと点を取れれば理想的だったが、シンプルに評価していいと思う。きょうの試合のように、攻守の切り替えや隙を見て前に進んでいくプレーを続けていきたい」と振り返りました。
また、来月から始まるワールドカップのアジア2次予選について「勝って当たり前にしないといけない。どんなメンバーが出ても勝ちを積み上げられるようにしたい」と、勝利にこだわる姿勢を強調していました。
冨安健洋「チーム全体の守備はよかった」
ディフェンダーの冨安健洋選手は公式戦を5試合ぶりに無失点に抑えたことについて、「最後の場面で僕のマークが甘くなり決められかねないところはあったが、チーム全体の守備としてはよかったと思う」と振り返りました。
そのうえで、来月から始まるワールドカップのアジア2次予選に向けて、「自分たちで考えながらゲームマネージメントなどをできるようにして、次のステップにつながる試合にしたい」と意気込んでいました。