新型コロナ変異分析機器 交付金整備の21台 ほとんど使用されず

新型コロナウイルスの変異状況を調べるために導入された分析機器の使用状況を会計検査院が調査した結果、5億8000万円余りの国の交付金を支出して民間の検査機関に整備された21台が、ほとんど使用されていなかったことが分かりました。

厚生労働省は、全ゲノム解析によってウイルスの変異を調べられる分析機器「次世代シークエンサー」を、都道府県が地方衛生研究所や民間検査機関に整備した際に交付金を出していて、導入された機関は自治体から依頼を受けた際に、ウイルス変異の動向の監視などのため使用します。

この機器について、会計検査院は2020年度と2021年度に18道府県が導入した63台の使用状況を調査しました。

その結果、
▽14台は全く使われておらず、
▽7台は使われていたものの自治体の依頼で検査を実施したことがないなど、8つの道府県が民間検査機関に整備した21台がほとんど使用されていませんでした。

21台で合わせておよそ5億8600万円の国の交付金が支出されていました。

厚生労働省は新型コロナの位置づけが「5類」に移行されたあとも、変異状況を確認するよう要請していることから、会計検査院は使い方を自治体に検討させることなどを求めました。

厚生労働省は「事業目的に沿って機器が使われるよう改めて周知する」としています。