宮下農相 “不当で極めて遺憾” ロシアの日本産水産物輸入規制

東京電力福島第一原発にたまる処理水の海洋放出をめぐって、ロシアの衛生当局が、日本産水産物の輸入を規制すると発表したことについて、宮下農林水産大臣は、「不当で極めて遺憾だ」と述べたうえで、早期に撤回するよう強く求めていく考えを示しました。

福島第一原発にたまる処理水の海への放出をめぐっては、反発する中国が日本産の水産物の輸入を全面的に停止していますが、ロシアの衛生当局も16日、「日本産の水産物の輸入を規制する中国の措置に16日から参加する」と発表しました。

これについて、宮下農林水産大臣は17日の閣議のあとの会見で「日本とロシアの省庁間の対話などで放射性物質の検査方法や、水産物の安全性などについて説明を行い、丁寧に対応してきた。ロシア側が、輸入規制を強化することは不当であり、極めて遺憾だ」と述べました。

そのうえで、水産物の輸出全体に占めるロシア向けの割合は、去年、0.1%程度にとどまっていることを踏まえ「中国と比べると影響は少ないと思われるが、科学的根拠に基づいて解除を求めていきたい」と述べロシア側に日本産水産物の輸入規制を早期に撤回するよう強く求めていく考えを示しました。

西村経産相「一方的な決定で全く受け入れられない」

また、西村経済産業大臣は、17日の閣議のあとの会見で、「これまでもロシアを含む国際社会に対して処理水と日本産の水産物の安全性について、科学的根拠に基づき、高い透明性を持って丁寧に説明を重ねてきた。ロシア側からの、16日を期限とした資料提供の突然の要請にも最大限、誠実かつ丁寧に対応してきた」と述べました。

そのうえで「科学的根拠に基づかない輸入規制の強化は不当で極めて遺憾だ。一方的な決定で全く受け入れられないので即時撤回を強く求めていきたい」と述べ、ロシアに対し、日本産水産物の輸入規制を早期に撤回するよう強く求めていく考えを示しました。