岸田首相 靖国神社 秋の例大祭にあわせ「真榊」奉納

17日から始まった靖国神社の秋の例大祭にあわせて、岸田総理大臣は「真榊」と呼ばれる鉢植えの供え物を奉納しました。

東京・九段の靖国神社では、17日から3日間、秋の例大祭が開かれます。

これにあわせて岸田総理大臣は「内閣総理大臣 岸田文雄」と記した木札が添えられた「真榊」と呼ばれる鉢植えの供え物を奉納しました。

関係者によりますと、岸田総理大臣は、おととし10月に総理大臣に就任する前は「真榊」を奉納したことはありませんでしたが、就任後の春と秋の例大祭では、安倍・元総理大臣や菅・前総理大臣の対応を踏襲し、奉納しているということです。

一方、岸田総理大臣は例大祭の期間中、参拝は行わないということです。

松野官房長官「岸田首相が私人の立場で奉納と理解」

松野官房長官は閣議のあとの記者会見で「岸田総理大臣が私人の立場で奉納したものと理解しており、政府としての見解を申し上げるべき事柄ではないと認識している」と述べました。

そのうえで「どの国であれ、国のために命をささげた方々に尊崇の念を表することは当然だ。日本として、今後とも隣国である中国や韓国を含む国々との関係を強化していく方針に変わりはない」と述べました。

韓国外務省「参拝を繰り返したこと 失望し遺憾」

岸田総理大臣が、靖国神社に「真榊」を奉納したことや、岸田内閣の閣僚らが靖国神社に参拝したことについて韓国外務省の報道官は17日の記者会見で、「過去の侵略戦争を美化し、戦争犯罪者を合祀した靖国神社に、日本の責任ある指導者たちが再び供え物を奉納したり、参拝を繰り返したりしたことに深く失望し、遺憾の意を表明する」と述べました。

そのうえで「日本の責任ある人たちが歴史を直視し、過去の歴史に対する謙虚な省察と真の反省を行動で示すことを促す。秋の例大祭の期間中、日本の要人の参拝や奉納の動向を注視して対応していく」としています。

中国外務省「日本側の消極的な動き 断固として反対」

岸田総理大臣が、靖国神社に「真榊」を奉納したことや、岸田内閣の閣僚らが靖国神社に参拝したことについて中国外務省の毛寧報道官は、17日の記者会見で「中国は靖国神社に関する日本側の消極的な動きに断固として反対する」と述べ日本側に抗議したことを明らかにしました。

そのうえで「中国は日本が侵略の歴史を直視し、反省して軍国主義をきっぱりと断ち切るという立場と約束を守り、実際の行動でアジアの隣国と国際社会の信頼を得るよう求める」と述べました。