秋田 住宅裏にクマ5頭 悠々と食事 生態詳しい写真家「異様」

秋田県ではことしこれまでにクマに襲われてけがをした人は過去最多を更新しています。
NHKの取材班は、秋田市内の住宅の裏の栗林で5頭のクマがクリを食べている様子など15日、一日で7頭のクマをカメラで捉えました。
クマの生態に詳しい写真家は、「人がいても食べ続けるというのは今までなら考えられないことで背景には餌不足ということしの事情がある」と話しています。

15日、NHK秋田放送局の取材クルーは秋田市内の住宅のすぐ裏の栗林で5頭のクマがクリを食べている様子を確認しました。

安全を確保しながらカメラで撮影を続けたところ、クマは取材クルーの姿に気付きながらもクリを食べることをやめず、あたりにはクリの食べかすがあちこちに落ちていました。

取材クルーは15日一日だけで秋田市内で少なくとも7頭のクマを確認しました。

秋田県によりますと、ことしは県全域でクマの餌となるブナやドングリなどの木の実が不作なため、冬眠前のクマが餌を求めて市街地などにも出没する危険性が高いということです。

このため、県と警察は、
▽やぶなどの見通しの悪い場所には近づかず、
▽鈴やラジオなどで音を出して人の存在をアピールするよう警戒を呼びかけています。

県内でおよそ30年間、野生のクマの撮影を続けている加藤明見さんは、「人の姿が見えても悠々と食べ続けるというのは今までなら考えられず、異様な光景だ。餌不足で、人がいても食べ続けざるをえないということしの事情が背景にあると思う」と話しています。