「ジャニーズショップ」営業終了 社名「SMILE-UP.」に変更へ

ジャニー喜多川氏の性加害の問題でジャニーズ事務所は17日、社名を「SMILE-UP.」(スマイルアップ)に変更します。

16日はタレントのグッズの販売店が営業を終了するなど創業から60年以上続いた社名の変更に伴う動きが広がっています。

ジャニー喜多川氏による性加害をめぐり、ジャニーズ事務所は今月2日の会見で、社名について、17日に「SMILE-UP.」に変更することを明らかにし、その後、都内にあるビルに掲げていた看板を撤去しました。

また、タレントの関連グッズを扱うショップは16日で営業を終了するほか、「ジャニーズファミリークラブ」としていたファンクラブの名称から「ジャニーズ」をなくすなど社名の変更に関連する動きが広がっています。

事務所のホームページなどによりますと、ジャニーズ事務所は、1962年に創業されました。

61年続いてきた社名の変更に伴い、「ジャニーズ」から名前を得た所属グループや関連会社についても今後、名称の変更が示されるものとみられます。

また、被害者への補償は、ジャニーズ事務所から社名を変更した「SMILE-UP.」が来月から始めるとしていて、最後まで補償を行ったあと廃業するとしています。

補償金額の総額や人数については適切な時期に明らかにするとしており、補償の範囲や、被害の認定がどのように行われるのかなどが注目されます。

開店前から多くのファン 名古屋

タレントのグッズなどを販売する大阪、福岡、名古屋のショップも営業を終了しました。

このうち名古屋市中区にある「ジャニーズショップ名古屋」には、開店前から多くのファンが訪れ、複雑な思いを語りました。

岐阜県から訪れたという親子は「私たちにとってジャニーさんとジャニーズは別物なので、それでジャニーズのメンバーのお店がなくなってしまうのは残念です」と話していました。

また、女子大学生は「被害に遭われた方々のことを思うと社名の変更はしかたがないと思いますが、これからも変わらず応援していきたいと思います」と話していました。

店のシャッターおりると涙ぐむファンも

店には多くの客が訪れ、本来の閉店時間を30分過ぎて午後7時ごろに店のシャッターがおろされると、集まった人たちはスマートフォンでその様子を写真に収め、中には涙ぐむファンの姿もありました。

名古屋市の20代の女性は「ファンのこともタレントさんのことも考えてくれるような事務所になってほしい。今活動されてるタレントさんに誹謗中傷がいかないよう新しい会社には頑張ってもらいたい」と話していました。

また、19歳の女性は「被害に遭われた方は、心に傷を負っていると思うので、そういう面もきちんと救済してほしいです」と話していました。

福岡でも閉店 写真20枚購入「最後の宝物」

ジャニーズのグループのコンサートが多く開催されている福岡市にあるショップも閉店しました。

福岡市中央区の商業施設「MARK IS 福岡ももち」に入る店舗を訪れたファンからは閉店を惜しむ声が聞かれました。

福岡市の20代の女性は「ショップには以前からよく来てたのでさみしいです。好きなメンバーが楽しく活動できて、私たちはライブや舞台などエンタメを楽しめればそれでいいです」と話していました。

北九州市から訪れた親子は「ジャニーズということばがなくなってしまうのは寂しいですが、グループが好きであることには変わらないので、引き続き応援したいです」と話していました。

また、友人と訪れていた福岡市の20代の女性は「きょうは写真を20枚ほど買いました。最後の宝物になるので大事にしたいと思います。アイドルを続けてくれる限り、応援したいと思っています」と話していました。

大阪も多くの人 店に入れないファンも

「関ジャニ∞」や「なにわ男子」といった“ご当地”のグループが活躍する関西。

大阪・北区にあるショップも16日で営業終了です。

午前中から多くのファンが訪れ、ショップの外観を写真に撮るなどしていました。

大阪市の40歳の女性は「事前の予約が取れずに店には入れませんが、写真を撮るために来ました。営業が終了してしまうのは悲しい」と話していました。

兵庫県の21歳の大学生は「被害者が多くいるので、社名の変更や営業終了はしかたがないと思う。納得いくかたちで、被害者への措置はしっかりとしてほしいし、ファンに向けては、エンターテインメントを引き続き届けてほしい」と話していました。

東京 「事件で応援が無理だという意見もあり 難しい」

東京・渋谷にも「ジャニーズショップ」がありますが、「移転準備のため」として現在は休業しています。

かつてジャニーズのグループのファンだったという20歳の女性は「グッズを買いに渋谷に来ると、直接選べるし、ファンが集まる場所だったので、無くなってしまうのがさみしいです」と話していました。

また、45歳の女性は「中学生の時にブロマイドを買いに行った思い出があります。新しい会社になってもショップは続いてほしい」と話していました。

その一方で別の女性は「原宿のショップに行列ができていたという記憶はあります。個人的には応援したいのですが事件があってから応援することが無理だという意見もあるので、とても難しいです」と複雑な思いを語りました。

オンラインストアも終了 アクセスしにくくなる状態に

ジャニーズのオンラインストアも16日の午後11時59分でオリジナル商品の販売を終えるということです。

サイトは、きょう断続的にアクセスしにくくなる状態になり「ただいまアクセスが集中しております。順番に案内しておりますのでそのままお待ちください」という案内が出ていました。

ネット上では
「オンラインショップ、ずっと混雑してるな」
「オンラインにはお世話になりすぎた。時には買いすぎて家族に怒られた」
「買い物もこれで最後か。もう金額見ずに注文確定した」
といった書き込みが見られました。

企業の危機管理の専門家「今後監視していく必要がある」

ジャニーズ事務所が17日、社名を変更する影響について、企業の危機管理に詳しい社会構想大学院大学の白井邦芳教授は「社名の変更に伴って冠のついている知財関係やグループ名の変更など関連する業務がとても大変で、さらに取引先やファンクラブなど関係者も非常に多く、自分たちだけでコントロールできない部分もある。社名変更による負担はとても大きく、今後うまくいくかどうか監視していく必要がある」と指摘しました。

また、社名変更による被害者への補償の影響については「前回の会見では実際に面会できた被害者はまだかなり少なく、これからスピードアップして対応していかなくてはならない状況下で、社名変更などで時間を費やすことになれば、運用レベルでうまくいかないことがたくさん出てくることも予想され、補償や救済について稚拙な業務管理になりかねないことが心配だ」と懸念を示しました。

そして、今後、事務所側に求められる対応については「いろんな懸念を持たれてしまっているという背景がある中で、そこに対してまずは信頼を維持し、さらにいい形での信頼を得られるよう、時間をおきながら発表するのではなく、ふだんからの情報開示というものをしっかりとやってもらい、常日頃から信頼を取り戻せるような体制に変更することが重要だ。ちょっと変わっただけでは大して変わっていないというイメージが強くなってしまうので、この節目を逃さずに大きく変わってもらいたい」と話していました。