イスラエル軍とハマスの衝突は15日も続き、ガザ地区の保健当局によりますとこれまでに2670人が死亡した一方、イスラエル側では少なくとも1400人が死亡し、双方の死者は4000人を超えています。
パレスチナ難民を支援するUNRWA=国連パレスチナ難民救済事業機関は、15日、ガザ地区ではこの1週間で少なくとも100万人が自宅を追われて避難を余儀なくされたと発表しました。
少なくとも40万人はUNRWAの学校や建物に避難しているものの、避難場所としての設備が整っておらず衛生環境も悪いということです。
また、OCHA=国連人道問題調整事務所によりますとガザ地区南部の一部の地域でイスラエルからの水の供給が再開されたものの、海水から真水をつくるための施設は燃料不足で稼働できておらず、脱水症状などの懸念は続いているということです。
さらに、WHO=世界保健機関によりますと、15日、ガザ地区の北部にある4つの病院が、損傷したり標的にされたりして稼働できなくなっているなど、ガザ地区では人道状況の悪化が深刻化しています。
パレスチナ ガザ地区 “100万人自宅追われる” 国連
イスラエルによる大規模な地上侵攻への緊張が高まる中、国連によりますと、パレスチナのガザ地区では少なくとも100万人が自宅を追われるなど人道危機が深刻化しています。
一方、アメリカの国務省は中東を訪問中のブリンケン国務長官が16日に再びイスラエルを訪れると明らかにし、人道回廊の設置などについて関係国の外交の動きが活発化しています。
一方、アメリカの複数のメディアは政府関係者の話としてバイデン大統領が今週、イスラエルを訪問する可能性について両国の間で協議が行われていると伝えました。
これについてホワイトハウスのNSC=国家安全保障会議の報道官は「大統領の訪問について発表できるものはない」とコメントしています。
このほか、アメリカの国務省は先週、イスラエルを訪問したブリンケン国務長官が16日、再びイスラエルを訪問すると発表しました。
ブリンケン長官は、今回の中東訪問でエジプトなどと協議し、ガザ地区とエジプトの境界にあるラファ検問所が支援物資を運び込むために開放される予定だと明らかにしています。
イスラエルへの再度の訪問では民間人の避難のための人道回廊の設置などについて改めて協議を行うとみられていて、大規模な地上侵攻が懸念される中、民間人への被害を最小限にするための関係国の外交の動きが活発化しています。