エクアドル大統領選 決選投票 右派のダニエル・ノボア氏が勝利

麻薬の密売組織がからむ犯罪の増加で治安対策が最大の争点となった、南米・エクアドルの大統領選挙の決選投票は、開票の結果、実業家で右派のダニエル・ノボア氏が勝利しました。

南米のエクアドルで15日、大統領選挙の決選投票が行われました。

エクアドルの選挙管理委員会によりますと、開票率90%の時点での得票率は▽特産のバナナの貿易などを手がける実業家で、右派の元議員、ダニエル・ノボア氏(35)が52.3%、▽弁護士で、初めての女性大統領の選出を目指す左派の元議員、ルイサ・ゴンザレス氏が(45)47.7%でノボア氏が勝利しました。

ノボア氏は、支持者を前に「暴力や汚職、憎しみによって深く傷ついた国を再建する」と述べ、治安の回復などに優先して取り組む考えを示しました。

今回の選挙では、汚職や組織犯罪を追及してきた候補者が武装グループの襲撃を受けて死亡するなど、麻薬の密売組織がからむ候補者の殺害や脅迫が相次ぎました。

この3年間で人口10万人当たりの殺人事件の被害者が3倍に急増しており、治安対策が最大の争点に浮上しました。

さらにエクアドルはここ数年で、欧米などに向けたコカインの密輸の一大拠点になったと指摘されています。

犯罪組織が軍や警察に入り込み利用しているとも指摘されるなか、国の統治能力を取り戻せるかが問われることになります。