秋田 男女2人がクマに襲われけが 全国の被害 過去最悪ペースに

16日午前、秋田県の鹿角市と大館市で相次いで人がクマに襲われ、2人がけがをしました。秋田県内では、ことしクマに襲われるなどしてけがをした人がこれで43人となり、過去最多を更新しています。

16日午前6時すぎ、鹿角市八幡平下葛岡の市道で、住宅の電気メーターの検針に訪れた60代の女性が車を降りたところ、体長およそ50センチのクマに襲われました。

警察によりますと、女性は顔にけがをして近くの住宅に駆け込み、市内の病院に搬送されましたが、搬送時、会話ができる状態で、意識はあったということです。

また、大館市雪沢でも16日午前、クリ拾いをしていた60代の男性がクマに襲われ、顔や肩にけがをしました。

警察によりますと、男性は意識はあるということです。

秋田県警察本部によりますと、ことし秋田県内でクマに襲われるなどしてけがをした人はこれで43人となり、過去最多を更新しています。

秋田県によりますと、ことしはクマの餌となるブナやドングリなどの木の実が不作で、冬眠前のクマが餌を求めて市街地などにも出没する危険性が高いということです。

県と警察は、やぶなどの見通しの悪い場所には近づかず、鈴やラジオの音で人の存在をアピールするなど、警戒するよう呼びかけています。

先月までのクマ被害 全国109人 過去最悪のペースに

環境省によりますと、ことし4月から先月までにクマによる被害にあった人は全国15の道府県で109人にのぼり、国が統計を取り始めて以降、最悪だった3年前の同じ時期を上回る過去最悪のペースとなっています。

さらに今月に入ってからも被害が相次ぎ、NHKが各地域局の取材をもとに集計したところ、これまでに25人を上回る被害が出て、うち1人は死亡しています。

例年、クマが冬眠に入る前のこの時期に被害が増える傾向があることから、国や自治体などが被害を防ぐ対策の徹底を呼びかけています。