ラグビーW杯 南アフリカが開催国フランスに競り勝ち 準決勝へ

ラグビーワールドカップフランス大会、準々決勝の最後の1試合は、前回大会で優勝した南アフリカが、開催国のフランスに29対28で競り勝って、3大会連続で準決勝に進出しました。

1次リーグのプールAを4連勝で勝ち上がった世界ランキング2位のフランスと、プールBで3勝1敗だった世界3位の南アフリカの試合は、15日、サンドニで行われました。

前回大会優勝の南アフリカは、前半4分、開催国のフランスに先制のトライを決められましたが、その4分後に、ウイングのカートリー・アレンザ選手が、味方の高い弾道のキックから抜け出して、トライを奪いました。

前半は両チームがトライを3つずつ奪い合う接戦になり、南アフリカが19対22とリードされて折り返しました。

後半は、フランスにペナルティーゴールを決められてリードを広げられましたが、後半27分、相手の反則から、ロックのエベン・エツベス選手がパワーで押し込んでトライを決め、続くキックで逆転し、南アフリカが29対28で競り勝ちました。

3大会連続のベスト4進出となった南アフリカは、21日の準決勝で、前回大会の決勝で対戦したイングランドと、再び顔を合わせます。

一方、フランスは、キャプテンのアントワーヌ・デュポン選手が、1次リーグで顔を骨折したあとに手術を受けて復帰し、攻守で存在感を示しましたが、地元開催で、悲願の初優勝には届きませんでした。

南アフリカ シヤ・コリシ “厳しかったがすばらしい戦い”

3大会連続の準決勝進出を決めた南アフリカのキャプテンのシヤ・コリシ選手は、「難しい試合になるとわかっていたが、地元から多くの人たちが駆けつけてくれたり、テレビで見てくれたりしていたので、負ける気がしなかった。本当に厳しかったが、すばらしい戦いができた」と話していました。

フランスHC「たった1点が足りなかった」

準々決勝で南アフリカに敗れた、開催国のフランスのファビアン・ガルティエ ヘッドコーチは試合後の会見で「やれることはやったので、何の悔いもない。自分たちの能力を最大限生かす方法を考えてきたが、最後にたった1点が足りなかった」と振り返りました。

そのうえで「今の時点では消化しきれないさまざまな感情でいっぱいだが、南アフリカには、おめでとうと言いたい」と話していました。

また1次リーグで顔を骨折したあとに、この試合で復帰したキャプテンのアントワーヌ・デュポン選手は「この試合から学ぶこともあるが、今は不満と落胆でいっぱいだ。南アフリカはすばらしいチームで経験があり、特に後半は実力を発揮して、1対1でも相手の方がうわてだった」と話していました。

フランス敗戦に地元ファンは落胆

サンドニの試合会場を訪れていた地元フランスの50代の男性は「選手たちと同じく打ちのめされた気分だ。天国から地獄に落ちたようだ」と落胆していました。

また顔にフランスの国旗の色を塗っていた20代の女性は「どうしても勝ちたかったし、決勝まで行ってほしかった。1点差で負けるなんてとにかく残念なので、また次に期待したいです」と話していました。

また60代の男性は「とにかくがっかりした。お祭りが終わってしまって悲しいが、勝った南アフリカには頑張ってほしい」と話していました。

準決勝はイングランドと 前回大会決勝と同じ顔合わせに