高速道路 耐震補強が必要な橋りょう 9割で工事未完了

4つの高速道路会社が管理する高速道路のうち、耐震補強が必要な橋りょう部分の工事の状況を会計検査院が調査した結果、昨年度末時点で9割で完了していないことがわかりました。

会計検査院は、東日本高速道路と中日本高速道路、西日本高速道路、本州四国連絡高速道路が管理する高速道路について、橋脚によって道路部分が支えられている橋りょうの耐震状況を調べました。

橋りょうは、4社で合わせて1万7000余りあり、このうち耐震補強工事が必要な4454か所を調べたところ、昨年度末までに完了していたのは449か所で、9割にあたる4005か所で工事が完了していなかったことがわかりました。

このうち7割近い3059の橋りょうについては、工事の契約も行われていなかったということです。

一方、完了済みや、現在工事中の状況を調べたところ、上下線が分離している橋りょうで、効率的でない工事があったとしています。

会計検査院は、高速道路は大規模災害時の避難や救助活動のための緊急輸送道路に位置づけられているとして、4社に対し、より効果的な整備方法の検討を行うよう求めました。

高速道路4社は「落橋や倒壊を防ぐための対策は済んでいる」としたうえで、「指摘を真摯に受け止め、さらに耐震補強工事を推進し、安全安心な高速道路の提供を目指します」などとコメントしています。