【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(16日の動き)

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まってから16日で600日となります。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる16日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ウクライナ東部で攻防続く 黒海艦隊は警戒強化か

ウクライナ軍の参謀本部は16日、東部ドネツク州の激戦地、アウディーイウカ周辺で敵を撃退したと発表しました。

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」はロシア軍はこの地域での戦闘の勢いが衰えているようだとしながらも15日もアウディーイウカの包囲を目的に攻撃を続け、「ウクライナ軍にとって依然として脅威となるだろう」との見方を示し、双方の攻防が続いているとみられます。

一方、ロシアが一方的に併合したウクライナ南部のクリミアにあるロシア黒海艦隊は先月、ウクライナ側から司令部などにミサイル攻撃を受けました。

イギリス国防省は14日、黒海艦隊がウクライナ軍による攻撃を受けて以来、防衛態勢を強化しているとみられるとの分析を発表し、戦力をロシア南部の海軍基地があるノボロシースクなど東へ移していると指摘しました。

また、ウクライナ軍は16日、SNSで「敵は黒海でミサイルを搭載する艦船の存在感を高めている。潜水艦に加え、2隻のフリゲート艦が戦闘任務についている」としており、黒海からのミサイル攻撃に警戒を強めているとみられます。

侵攻開始以来 地雷などによる死亡248人 けが525人に

ウクライナの当局によりますと、南部のへルソン州や東部のハルキウ州、ドネツク州で15日にかけてロシア軍の攻撃が相次ぎ、合わせて6人が死亡したということです。

また、ウクライナ非常事態庁は15日、南部ミコライウ州で友人と遊んでいた14歳の少年が地雷の爆発で死亡したほか、北部チェルニヒウ州でも1人が死亡するなど地雷による被害が相次いでいると発表しました。

非常事態庁は、侵攻が始まって以降地雷などによって死亡した人は248人、けがをした人は525人に上り、依然として国土の広い範囲が危険な状態にあるとしています。

一方、東部や南部の戦況について、ロシアのプーチン大統領は15日「ウクライナ軍の反転攻勢は完全に失敗した」と述べてハルキウ州やドネツク州、さらに南部のザポリージャ州の戦線で、ロシア軍が有利な状況になっていると主張しました。

これに対してウクライナ軍は15日、すべての戦線でロシア軍を消耗させていると強調していて、激しい攻防が続いているとみられます。

こうした中、イギリス国防省は15日「ロシア軍は、ザポリージャ州への補給に必要な時間を減らすために、東部マリウポリへと続く新しい鉄道を建設している」とする分析を示しました。

弾薬や燃料の輸送を担う鉄道は、ロシア軍にとって軍事侵攻を続けるために不可欠な手段になっているとしていて、侵攻の開始から16日で600日となる中、ロシア側は戦闘の長期化もにらみ、補給路の確保を進めていることがうかがえます。