1次リーグのプールBを4連勝で勝ち抜いた世界ランキング1位のアイルランドと、ワールドカップで過去3回優勝している世界4位のニュージーランドの優勝候補どうしの試合は、14日、サンドニで行われました。
ラグビーW杯 ニュージーランドがアイルランドに競り勝ち4強
ラグビーワールドカップフランス大会の準々決勝、アイルランド対ニュージーランドは、ニュージーランドが接戦の末28対24で競り勝って、4大会連続で準決勝に進みました。一方、世界ランキング1位のアイルランドは、初のベスト4はなりませんでした。
【詳しいデータはこちら】アイルランド×ニュージーランド
優勝候補どうしにふさわしい大接戦に
ニュージーランドは前半19分、次のシーズンから日本でプレーするボーデン・バレット選手がキックで抜け出したあと、素早いパスを展開し、最後はウイングのレスター・ファインガアヌク選手がトライを奪いました。
しかし27分に、相手のニュージーランド出身のバンディー・アキ選手にトライを決められるなどして、前半を18対17と、リードして折り返しました。
ニュージーランドは後半に入っても先にトライを決めてリードを広げましたが、24分、相手にモールで押し込まれて再び点差を詰められました。
そして試合終了間際には、アイルランドに連続攻撃を仕掛けられましたが、ニュージーランドは最後まで集中力を発揮して堅い守りで防ぎきり、28対24で接戦を制しました。
ニュージーランドは4大会連続のベスト4進出となり、次は20日の準決勝で、アルゼンチンと対戦します。
一方、アイルランドは、前回大会の準々決勝と同じ相手となったニュージーランドに再び敗れ、初のベスト4はなりませんでした。
《両チーム HC・選手談話》
NZ フォスターHC「私たちは試合をコントロールできた」
ニュージーランドのイアン・フォスターヘッドコーチは「とても幸せだ。アイルランドは強かったが、私たちは試合をコントロールできた。優勝するチームはいつも守備がすぐれているが、きょうは守備もよかった」と振り返りました。そのうえで、次に対戦するアルゼンチンについては「タフでフィジカルが強い印象だが、今はそれ以上は言えない」と述べました。
NZ サム・ケイン主将「焦らずにプレーできた」
キャプテンのサム・ケイン選手は「この1週間、すばらしい準備ができ、どのように試合をすればいいか理解していたので、点を取られても焦らずにプレーできた」と話していました。
アイルランド ファレルHC「チャンスで決めきることができず」
敗れたアイルランドのアンディ・ファレルヘッドコーチは「自分たちのほうがすぐれていた部分もあったが、チャンスで決めきることができなかった。試合前半に与えたペナルティーゴールが痛かったが、勝てるチャンスは最後まであった」と振り返ったうえで「このチームが終わりになるのがとてもさみしい」と述べました。
アイルランド セクストン主将「とてもさみしい」
キャプテンのジョニー・セクストン選手は目に涙を浮かべながら「ここ数年間、すばらしい日々を過ごしてきた。もうこの仲間と練習できなくなるのがとてもさみしい」と述べました。そのうえで「38歳でけがも多くしてきた。少し休みをとって家族と過ごしてから、今後のことを考えたい」と話していました。
- 注目
《“引退表明”セクストン主将は涙》
準々決勝で、ニュージーランドに敗れたアイルランドの司令塔、ジョニー・セクストン選手は、大会が始まる前「このワールドカップを最後に現役引退を表明した」と伝えられていました。
38歳のセクストン選手は、パス、キック、タックルのすべてのレベルが高く、これまで代表で120試合以上に出場し、積み重ねた得点は1000点を超えるなどして、地元で圧倒的な人気を誇ります。
2018年に世界最優秀選手に選ばれ、ワールドカップには4大会連続の出場となりましたが、近年はけがのため、代表の試合を欠場することも増えていました。
それでも今大会、1次リーグから衰えを感じさせない活躍を見せ、5試合に出場して、3つのトライを含む58点を奪いました。
準々決勝のニュージーランド戦も司令塔としてフル出場しましたが、アイルランドを初めてのベスト4進出に導くことはできませんでした。
試合後の記者会見で「このチームにはとても自信をもっているし、これまですばらしい日々を過ごしてきた。もうこの仲間たちと練習できなくなるのがとてもさみしい」と目に涙を浮かべながら話しました。
そのうえで「常にファンの方々とはつながっていたが、喜びを与えられなかったのがつらい。このチームは本当に最高のチームだった」と述べ、最後は拍手を受けながら、会見場を去りました。
◆ニュージーランド 準決勝でアルゼンチンと対戦へ
日本時間 10月21日(土)4:00~
準決勝:アルゼンチン×ニュージーランド