北朝鮮拉致被害者 蓮池薫さん 帰国21年 “最後のタイミング”

北朝鮮に拉致された被害者のうち5人が帰国して15日で21年です。その1人の蓮池薫さんはNHKの取材に対し、「高齢となった被害者の親御さんたちが存命の間に解決させるための最後のタイミングだ」などと述べ、日本政府の具体的な取り組みと世論の後押しを求めました。

1978年に北朝鮮に拉致された
▽蓮池薫さん祐木子さん夫妻と
▽地村保志さん富貴恵さん夫妻
▽曽我ひとみさんの
5人は、2002年の10月15日に帰国を果たしました。

このうち、蓮池薫さんが帰国から21年となるのを前に、NHKのインタビューに応じ、北朝鮮に残されたままの被害者の胸の内を察して「非常に耐え難いような苦痛、思いの中で、暮らしていらっしゃると思う。ご両親が他界された話を聞いている方もいるでしょうし、非常に高齢になっていることを知って非常に苦しい思いをされているのではないか」と述べました。

政府が認定した、安否がわからない被害者のうち、親が健在なのは、横田めぐみさんの母親の早紀江さん(87)と、有本恵子さんの父親の明弘さん(95)だけとなったことに触れ、「2人も高齢化されて、体調もすぐれないと聞いている。本当にもどかしい、早く決着をつけなければならない、そういう思いがますます強くなっている」と話しました。

そして、岸田総理大臣が日朝首脳会談を実現させるため、みずからが直轄するハイレベル協議を始めたいという考えを示していることに触れ、「米朝の状況が動きそうもない中で、日本が独自に北朝鮮と進めるしかないと覚悟を持たれたのだと思うし、そういった動きに出たことは幸いだと思う。今こそ、拉致問題の解決や進展のために、日本が具体的にどういうことができるかを、どんどん北朝鮮の指導者にすり込んでいく重要なタイミングだ。親御さんが存命の間に帰国させるという期限は日本にとっても大事だが、北朝鮮にとっても解決の最後のタイミングだ」と述べ、日本政府の具体的な取り組みと世論の後押しを求めました。